山田孝之にインタビューして答える姿とインサート映像で構成された無駄に豪華な3D映画。3Dにする必然性も映画にする必然性も特に無いけど敢えてそういうことをするアホらしさが潔い。山田孝之という役者はどちらかと言うと好きだけど、本作を見たらもっと
病床の母親と暮らす少年のもとに大木を模した怪物が夜な夜な現れ物語を語り、少年の秘めた闇、母親への愛、抱えている秘密と罪悪感をさらけ出すことによって癒しへと至る試練と苦しみの成長物語。ホラー映画かファンタジー映画っぽい予告だけどそうじゃないだ
鎌倉を舞台に剣道で父親を廃人にしてしまった男と剣道に取り憑かれてしまった青年とがお互いの業のようなものを背負って対決する現代の剣豪物語。文学的香りと時代劇の香りが一体化した誠に不思議な映画ではあるが、それほど面白いわけでもない。綾野剛と村上
関東軍が支配する中国で抗日ゲリラたちが関東軍の横暴を阻止するために橋の爆発を計画し、列車に乗って目的地に向かう過程と阻止しようとする関東軍との戦い描くジャッキー・チェン主演のアクションコメディ大作。呑気でコミカルな音楽がずっと鳴っていてコメ
アーサー王伝説をガイ・リッチー監督が演出したアクション映画。中世の話でも目まぐるしいカッティングでガイ・リッチー節は健在。剣と魔法の話にそういう小手先の編集は邪魔でしかなく、見ていて段々と興味が無くなっていき、どうでもよくなってしまった。思
兄の逝去で故郷に戻った男が、兄の遺言で遺された甥の後見人に指名されるも男には故郷の街で暮らすことの出来ない悲しい過去を背負っていた。淡々と進行するストーリーに身を任せていると、主人公の過去の壮絶さに驚倒してしまった。それでも生活は続いていく
子供のいない灯台守夫婦の所に漂着した赤子を愛情を持って育てた数年後、実の母親の存在を知り動揺する妻と正しくあるべきだと子供を実の母親に渡そうとする夫の姿を通して愛情と愛情のぶつかり合いを描く慟哭必至の感動作。とにかく評判の良い「ブルーバレン
前作はまだそこはかとなく面白かったが、続編の本作はひどい出来だ。予定調和とマンネリズムで昔のダメな日本映画そのまま。「虹をつかむ男 南国奮闘篇」で山田洋次は終わったと思ったがその後奇跡の復活を果たし、本作でまたそこまで落ちてしまった。貧困、
1979年を舞台に母親とちょっと歳上の下宿人とガールフレンドの3人の女性に揉まれるティーンエイジャー青年を通して、3人3様の生き様やちょっと情けないけどカッコいい下宿人男性や当時のポップカルチャーなどを描く青春映画。主人公のティーンエイジャ
ベルエポックの時代のパリで活躍した独創的なダンサーの生き様を描く伝記映画。布と照明を駆使して見せるパフォーマンスは圧巻で、このシーンを劇場で見るだけでお金払った価値があるというものだ。コンテンポラリーダンスはここから始まったのか。パフォーマ
1950年代ポーランドの前衛画家の晩年の日々を描くアンジェイ・ワイダ監督の遺作。美術の世界では著名な画家かもしれないけど、全く知らない人が国家権力によってボロボロにされていく過程をじっくりと見せていき、見るのはかなりきつい。アンジェイ・ワイ
八丈島からボクシングをするために上京してきた若者が貧乏ジムで努力してチャンピオンになっていくという鈴木清順のスポ根映画。ニセ裕次郎の和田浩治が爽やかで貧乏ジムのオヤッサンの金子信雄がいい。清順監督作の中で本作がお気に入りだと言っていた野呂圭
日本の山村を舞台に悪徳業者や私設保安官や復讐に燃える男やらが入り乱れる無国籍アクション。これが法治国家か、と思えるほどに滅茶苦茶な設定で和風の西部劇が綴られる。二枚目だけど華の無い二谷英明が主役で、うーむやはり華が無いなあ。こんな滅茶苦茶な
X−MENの人気キャラクターのスピンオフ第3弾。3作目ともなるともはやスピンオフとは呼べないけど。今までのX−MENのストーリーと何の繋がりもなく、いきなりウルヴァリンがボロボロで登場して、プロフェサーXはボケ始めていて、今まで出てきたんだ
宇宙人の意識に目覚めた家族が地球人に警鐘を鳴らそうとするも上手く届かず、という三島由紀夫の変テコリンなSF小説を吉田大八監督が映画化。原作小説を読んだのはそれほど昔ではないのだけどあまり覚えてなく、変な小説だなあという印象は強烈に残っていて
1930年代アメリカのあるギャングの生活を当時を完璧に再現した美術セットとファッションとで彩るゴージャスなギャング映画。バイオレンス描写がそれなりに派手で見せ場はあるもののそれ以外は淡々としたビジネスの話が続く。その淡々とした進行は面白くは
少年院を出たばかりの不良少年と更生を手助けする民間団体の女性との交流と、更生したくてもなかなか出来ない不良少年の葛藤を描く鈴木清順監督の人間ドラマ。小林旭演じる寂しげな不良少年と左幸子演じる空回りばかりの女性ボランティアがいい。浅丘ルリ子も
電話交換手の女性が殺人犯の声を聞き、事件が解決しないまま数年が経ち、夫が巻き込まれた殺人事件に数年前に聞いた犯人の声が絡んでくる、という松本清張原作の鈴木清順監督作。学生の頃にテレビで見ているが ストーリーを全く覚えていなかった。二谷英明が
盗んだダイヤモンドを巡って悪党たちが右往左往する犯罪アクション。鈴木清太郎から鈴木清順へと改名した記念すべき第1作。ただまあ後年の清順節とも言える演出は特に無く至って平凡なB級アクション。それほど期待はしていなかったがやはりそんなもん。後半
町のチンピラが放射性廃棄物を浴びて超人パワーを入手しATMを破壊して金品を盗むなどケチな犯罪で生活していると、やがて日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」に憧れている知能障害の娘を守るため町の悪党と戦うことになる。超人パワーを手に入れる方法が「悪魔の毒
人魚の少女と内向的な中学生男子との音楽を通じた交流、やがて町ぐるみの人魚捕獲作戦とお父っつぁん人魚登場と天変地異によるスペクタクル、と見せ場たっぷりのアニメーション。異質な世界観と独特のパース感と色彩感覚が魅力の湯浅政明監督の新作は意外と真
ある日世界各地に異星人の宇宙船が現れ、主人公の言語学者が軍に召集され異星人とコンタクトを試みる。最近のSF小説はあまり読まないのだが、例外的に本作の原作小説は読んでいる。原作のエッセンスを活かしつつ、分かりやすい展開に収まっていくのはいいか
殺人事件の現場で発見された身元不明の女性遺体の解剖を依頼された法医学者とその息子でアシスタントが経験する不可思議な一夜。後半ホラー濃度が上がってきて怖くて面白い世界が展開されるが、そこに至るまで遺体を解剖するさまを延々と見せられる。こういう
幼い頃の腐れ縁の3人が殺人事件の被害者、容疑者、刑事となって邂逅し、刑事はやがて過去のトラウマを乗り越えていく。ミステリ仕立ての人間ドラマ。殺人事件の真相があまりに呆気なく、ありゃと思ってしまったがそちらがメインの話ではなく、過去に自分たち
生きるのに不器用な男と女が出会い、恋らしき感情が芽生えていくさまを東京の不穏な空気感と饒舌な台詞を交えて描く青臭い青春ラブストーリー。詩集を原作として石井裕也監督が物語を紡ぎ出したそうで、だからだろう非現実的な台詞がポンポンと出てくる。うー