前作は破天荒なスペースオペラでそれなりに面白かったが、地球人の男と緑色の異星人の女とアライグマ以外はあまり覚えてなく、本作で子供の木のキャラクターが出てきてもそんな奴いたかな、程度の認識しかない。本作はキャラクターを知っている前提で話が進む
女形役者の雪之丞が親の仇を討つためにあの手この手と尽くす市川崑監督の時代劇。上映の機会は度々あるのだがなかなか見ることが出来ず、そうしたら午前十時の映画祭のラインナップに入っていてこの度やっと見ることが出来た。話自体は仇討ちものの娯楽活劇よ
チャラいタイトルに反して誠に真摯なドラマだった。原作本の存在は知っていたけど、こんなチャラいタイトルの本なんか読みたくないわ、と思っていたがこんな話だったとは意外だ。いい話じゃないか。悩み苦しむサラリーマンの青年の話からやがて謎の男・山本の
セレブの代わりに衣服や装飾品を購入する仕事をパーソナル・ショッパーというそうだ。パーソナル・ショッパーの仕事とセレブの生活を描く空虚でオシャレな話かと思いきや、亡霊とか殺人事件とか出てくる変な話だった。元々見るつもりはなかったのだが、亡霊が
終末後の中未来に地下に隠遁して生活している人類と人類を駆除しようとしている機械なのか何なのかとが争っている世界に風来坊がやって来て、と粗筋は複雑過ぎて説明するのが面倒なアニメーション。とは言え予備知識ゼロで見てもそれなりに面白く見れてしまう
失恋したての女性と凄腕の殺し屋がお互いに一目惚れをし、自分の職業のため抗争に巻き込まれてしまった女性を救うため奮闘する男と殺しの才能に目覚めてしまった女との恋の行方を描くラブコメアクション。むやみやたらと人を殺す映画はフィクションとは言えち
メキシコからアメリカへの不法入国者を狩って楽しむ変質者と狩られる側の不法入国者の逃亡と追跡と戦い。ほぼワンシチュエーションで一気に見せてしまうサスペンスアクションホラー。ホラー映画ではないけど、描かれる内容は恐怖そのもの。短い上映時間だけど
多重人格の男に誘拐拉致された女子高生3人が監禁されながら多重人格男の色々な人格と虚々実々の駆け引きをし脱出を図ろうとする。M・ナイト・シャマラン監督のサイコスリラー。単純で蠱惑的な設定でとにかく見せてくれる。これは面白いぞ、と思いながら見て
沖縄が本土復帰するかしないかの頃、精霊によって超自然パワーを手に入れた青年が義賊ウンタマギルーになって色々盗みを働き、やがて敵対するボスにより額に槍を射抜かれる。全編沖縄語で日本語字幕が付く。外国語にしか聞こえなかった台詞も字幕があるとやが
チャップリンがヒトラーを徹底的にコケにして民主主義を謳いあげた名作中の名作。これも久しぶりに見る。いやはや笑った笑った。ハナモゲラ語で演説して、延々と喋った内容をタイプ打ちするとちょこっとしかなく、地球儀の風船でダンスをし、他国の独裁者と虚
ナチスがパリを占領していた時代、一つの劇団内でのスッタモンダと色恋沙汰を描いたフランソワ・トリュフォー監督作。見るのは2度目。甘美なメロディーが美しすぎるテーマ曲が昔から大好きで、どんな映画なんだろうと昔は思っていたが、実際に見てみるとそん
己の野心のために老齢の盲目の画家とのインタビューをしようと決意したチンケなジャーナリストが老画家を誘拐のように連れ出して一緒に旅をしていくうちに、老画家の偉大さと自分の矮小さに気づいていくというバディムービーにしてロードムービー。「グッバイ
80年代初頭に台北で暮らすカップルとその周辺の人々を見つめる日本未公開だったエドワード・ヤン監督作。何と侯孝賢が主人公を演じ、それがなかなかいい。かつてのチョー・ヨンピルのような風貌だし。ここ数年でこの監督の旧作が一挙に見れるようになった
「沖縄列島」の次作で東陽一監督がフィクションに挑んだ実質の監督デビュー作。青くさいアングラ不条理劇で60年代や70年代ならいざ知らず、今見るとその青くささが少し恥ずかしい。
ベトナム戦争の前線基地でもある沖縄の本土復帰前の姿を生々しく捉えた東陽一監督による長編ドキュメンタリー。約50年前の姿ではあるが、やはり少し古い。やがて飽きてしまいどうでもよくなってきた。
実在の社会心理学者ミルグラム博士の実験の数々を通して多勢に流されやすい人間性を実証し、世紀の大犯罪者とも言われているルドルフ・アイヒマンを果たして断罪出来るのか、と突き付けてくる胸くそ悪くなるような伝記ドラマ。アイヒマンの後継者とはミルグラ
1930年代、ハリウッドで恋に破れて故郷のニューヨークに帰った青年が仕事で成功し、美しい妻も娶り華やかな生活を送っているとかつて自分を捨てた女が現れ、恋心が再び疼きだす。コンスタントに作品を発表するウディ・アレンの新作は久々にゴージャスで、
ディズニーの名作アニメを実写映画化。数年前のフランス製ホラー映画風味のものとは全然テイストが違う。当たり前か。しかしまあCG技術の進歩は凄い。どう考えても撮影出来ないものを見せてくれるとは。もはや実写とCGの境界線って何だかわからない。話の
ひょんなことからサーカス一座に組み込まれた楽団員がサーカスの舞台に立ったり美人姉妹と交流したり、やがて報酬を貰い旅廻りの楽団としてサーカス一座と別れていく。成瀬巳喜男監督の戦前作。そこはかとない哀愁とユーモアが叙情を醸し出す。傑作も凡作も多
前編は将棋の本気対局が見せ場でそれはそれで面白かったが、後編の本作は更に人間ドラマが複雑に入り組んできてもっと面白くなった。見ている方は複雑だなんて全く思わないだろう。それは演出が上手だからだ。前編後編ある映画だと大抵後編が失速してしまうが
ブルース・リーの師にして詠春拳の師匠、武術家イップ・マンの活躍を描くシリーズ第3弾。「ローグ・ワン」の勇姿もカッコ良かったがやはりドニー・イェンはイップ・マンを演じる姿が最高だ。こんなカッコいいオッサンは他にいない。イップ・マン師匠と弟子た
井の頭公園を舞台に知り合った男女が祖母の遺品の50年前のオープンリールに録音されていた曲を甦らせるためにバンドを組み、音楽フェスティバルに出場する。50年前の実らなかった恋、現代風にアレンジした曲、などツボをついてくる青春映画。なるほど、こ
高校生の頃にどこかの上映会で見て以来の再見。当時もそれほど面白くないと思ったけど、今見てもそれほど面白くない。1950年代ロスアンゼルスの不良高校生たちの暴力に満ちた一昼夜のストーリー。これだけ色々なことが起こっているのに24時間ぐらいのス
見るのはこれで3度目か。最初に見た時は強烈に感動したものだが、もうそうでもない。ジェームス・ディーン演じる繊細なティーンエイジャーがティーンエイジャーに見えない。本当なら「ギルバート・グレイプ」のディカプリオぐらいの若さの少年なんだろうな。
チンピラくずれの男とやくざが経営しているクラブ従業員の女との不器用なラブストーリーを血と暴力の世界の中で描く。前作前々作と大変良かった奥田庸介監督の新作は、またもや大変良い映画だった。この監督の描く世界と語り口には大いに魅了される。頭のおか
死なない身体の剣豪が少女の仇討ちに助太刀するさまを荒唐無稽な設定とストーリーながら重々しく描く三池崇史監督の新作。原作は有名なコミックだそうだけど、例によって全く知らない。山田風太郎の忍法帖モノのような滅茶苦茶なストーリーだけど、まあそれな
厳格な男子校で生徒会長の座を掴むために権謀術数の限りを尽くす主人公の姿をギャグ満載で見せる人気コミックの実写映画化作。原作コミックは読んだことないし、そもそも存在すら知らない。もともとコミックは読まないし。それにしては濃厚なキャラのオンパレ
何年か前に起こったメキシコ湾の原油流出事故をそのまま映画化。とはいえその事故のことは全く記憶に無い。これこそまさに対岸の火事。大変なことが起こり、大変な目にあった人がいて、勇敢な人もいれば腰抜けもいた、ということ。それを見せ場たっぷりの娯楽
酒屋の姉妹の恋模様と店が衰退していくさまを描く成瀬巳喜男の戦前作。戦前のごく普通のホームドラマとしてそれなりに面白く見ていたら唐突に終わってしまった。姉妹の三角関係はどうなったのか、一家のこれからはどうなるのか、と気になることばかりだ。そう