インフィニティ・プール

リゾート地に遊びにきた作家とセレブ女性のカップルは現地で知り合ったセレブ夫婦と一緒に保養地域を抜け出してドライブに行き、地元民を轢いてしまう。事態を恐れた作家の男は地元民を放っておいて逃げ出す。翌日、地元警察に逮捕された男は死刑を宣告されるのだが、お金を出せば自分のクローンを作ってそのクローンに刑を執行する、という方法を提案される。罪の意識を持ったクローン人間に死刑を実行し、男はリゾートホテルに戻るのだが、自分は本当にオリジナルなのか、クローンではないと言い切れるのか。セレブたちはクローンに罪を償わせればよい、と考えて好き放題に振る舞い、作家の男も一緒になって犯罪を犯していく。
ブランドン・クローネンバーグ監督の長編３作目で、今までの作風は父親の影響が大きかった気がするが、本作も影響は多大に感じるものの、狂ったオリジナリティもあってちょっと面白い。よくこんなヘンテコなストーリーを思いつくな、と感心する。Ｊ・Ｇ・バラード描く陽気な地獄絵図のような、ちょっと違うような。
まあ特異な才能として今後は親子そろって注目しよう。