清野裕子さんが壺井繁治賞受賞

『冊』同人の清野裕子さんの詩集『賑やかな家』（版木舎）が第48回壺井繁治賞を受賞された。おめでとうございます！

先の野口やよいさんの詩集『天を吸って』が日本詩人クラブ新人賞を受賞したのに続く慶事であり、『冊』編集人としてはとてもうれしいのだが、世情は新型コロナウィルス問題で非常に暗い春となっている。

壺井賞の選考会も３月初旬から３月28日に延期されたが、その日に近づくと「首都封鎖」などという強烈な言葉も飛び出すほど事態が悪化した(諸外国ではすでにやっていることだが）。また延期の判断となるかもしれないと思っていたが何とか選考会を開き上記の結果となった。詩の世界でもテレビ会議が必要になる時代にさしかかっているのだろうか。

４月５日に予定されていた日本詩人クラブの三賞贈呈式は７月１１日に延期になっているが、当初政府や関係者が言っていた収束見通しはどんどん遠のいていて、逆に感染の勢いが急速に拡大している現在、７月でも大丈夫だろうか、という心配がぬぐえない。壺井賞は詩人会議の夏の詩の学校（淡路島）で贈呈式がもたれるが七月十九日予定なので、似たような条件である。

こういうお祝いは楽しく陽気にやりたいところだが、そうした集合・談笑じたいが悪みたいなご時勢であり、落ち着いたら祝杯をあげたい。これが2020年の春である。

『冊』61号の締め切りは明後日で、今続々と原稿が集まっているが、野口さんの出版記念会の報告がそのまま特集となっている。せめて誌面にてお楽しみいただきたい。前号は清野さんの特集だったので、またひっくり返して読んでいただけるとありがたい。

そういえばＨ氏賞と現代詩人賞も選考会が延期されたと聞いているが、その後どうなったのだろうか。