鈴木太郎さんが逝去

詩人の鈴木太郎さんが4月27日に亡くなったと連絡があった。83歳。
心臓がお悪いとのことで昨年入院されたとは聞いていたがその後については知らず、突然の訃報だった。

私が若いころ入っていたサークル詩誌『詩とにんげんの村』の裏表紙には毎号鈴木さんの「みんなこいよ」が載っていた（大阪時代に書かれたものらしい）。私には古いアジ詩に思えたが、誰でも参加できるという呼びかけとしてはリズミカルで庶民的な親しみやすさがあった。後年、亡くなった中正敏さんのことを書いた詩や近年の老齢の中で書かれた詩は静かで胸打つものが多かった。演劇関連に熱の入った個人誌を出されていたこともあった。

武蔵野詩人会議の『櫟』の編集では長いこと縁の下の力持ちであった。最近はコロナ禍によりあまり顔を出していない私だが、もともと解放的なグループのうえ『冊』同人と重複している人が三人もいるのでしょっちゅう遊びに行く仲である。その誌名『櫟』の名付け親は秋村宏さんかと思っていたが、鈴木さんだと数年前知った。

昨年私が入院したほぼ同じ時期に、彼も心臓が悪くて入院したと聞き、妙な親近感を抱いたものだった。歳よりもかなり若く見え、万年青年であったので不思議な感じがする。なお葬儀は個人の遺志により家族のみにて行うとのことだ。合掌。