コロナをめぐり世界中がギリシャ語の学習をしている。
デルタ（��、δ）株の次の驚異はオミクロン（Ο、ο）株だという。
オミクロンとは 小さなοという意味である。なので「オ」と発音する。
これに対して 大きなο はオーメガ［オメガとも］（Ω、ω）。大きいので「オー」と伸ばして発音する。
WHOは先日、ミュー（Μ、μ）株に続く変異株をオミクロン（Ο、ο）株と命名した理由を述べた。本来ならミュー、ニュー（Ν、ν）、クシー［クサイとも］（Ξ、ξ）、オミクロンの順だが、ニューは英語の new との混同を避け、クシー(Xi)は中国人の名前に多い（習近平もこの文字を使うという）ので地名や人名を避け、二字とばしたという。
たしかにそうした配慮は必要かもしれない。アジアが発生源だとして、米国でアジア系住民が襲われたりするのは痛ましい。トランプ時代はさらに人種差別の感情が後押しをしていた。ヒト類は名を知るとそれに依拠した発想をしがちな動物である。スペイン風邪はスペインが発生源ではないが（米国カンザス洲が定説のようだ）今だにスペインが悪者にされている。レッテル貼りが、最低の知性と連想による蛮行の拠り所となるとしたら、命名時にリスクは少しでも避けておいたほうがよい。ちなみにスペイン風邪は人間界では絶滅したが、豚へのインフルエンザウィルスとして今だに（ということは百年以上）生き延びているそうだ。
今は１５番目のギリシャ文字オミクロンだが、２４番目（最後の文字）オーメガ（Ω、ω）まで達したりしないように祈りたい。オメガでは足りなかったので、マスクという２５番目の文字が21世紀に追加された、などの都市伝説が頭をかすめる。日本人男子の平均寿命81.41歳からすると私の余命はあと8年しかない。その中ですでに２年近くが人と会うな、という時間であったというのは比率的に高すぎるだろ、と思う。コロナにかかって余命ゼロ年となってしまった方々も多いわけだが。みなさん、しっかり「生き延びられよ」（カムカムエブリバディエリアの言い方を真似してみました）。
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