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2020年02月01日15:04

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2月の詩は「録画時代」

2月になりました。で、新しい月の「今月の詩」を。

何かの特集があり書いたものだが、締め切りぎりぎりで他の作品ができたのか、発表しないままになっていたのを『澪』に出した。一応完成しているのに送稿するのにためらわれるというのは、詩にたいして申し訳ないような気がするが、しかたない。そういう気分だったのだから。たいてい書き終わった時は傑作ができたと錯誤するものだが、そのように錯誤させる成分が欠けていたのかもしれない。

この詩のばあい、風刺のようでもありSFチックのようでもある。私は両方とも好きではないので無理があったような気がする。ところで『現代詩手帖』2月号で野村喜和夫、安部嘉昭、桑田光平、カニエ・ナハによる「世界を描くための喩」という座談会が面白かったが、その中で隠喩は作者と読者の間に権力構造をはらみやすいし、隠喩が共有されるための共通地盤が失われると成立しにくくなる、というようなことが言われていた。私はそうした喩に頼る投げ出しができないタチのようだ。隠喩が安全に使われたら、それは隠喩ではない。ぜんぜん理解してもらえないかもしれないリスクと暗闇がなければならないのだ。そう考えると相当昔から、私は隠喩とは手を切っているような気がしてきた。いろいろなものと手を切って生きている私はどうやって詩を書いているのであろうか。隠喩(メタファー)でもなく換喩(メトニミー)でもなく、原始的な直喩(シミリ)だよな、きっと。

http://kamitelyric.web.fc2.com/month-poem-latest.html


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