大砲

今日は雨で気分が落ち込んでいたが、新天皇の即位の儀式をTV中継を見たらさらに鬱状態に近づいた。

安倍首相の万歳三唱にあわせるように礼砲が轟くというのは、非常に不愉快である。一発二発ではなく２１発である（その理由は知らないが）。古式に則ってとか言っても所詮は明治以降の西欧の真似だろう。平和憲法に戦力を保持しないと明記した国で何で大砲をぶっ放さなくてはならないのか。映画ならなんにも感じないだろうが、空砲にしてもこれは現実なのでいつまでも続く音に神経がやられていくのを感じた。

だが、それ以上に私が落ち込んだのはそれらの中継を見たあとのマスコミ報道や国民へのインタビューだった。ワイド番組のゲストが言った。「最後のほうはやや晴れてきましたね。明治天皇の時も、ある資料によるとですが、同じようだったらしいです」。未開人め。私は未開人には感謝しているが、文明人の仮面をかぶった未開人が嫌いなのだ。神風が吹くと教育していた連中と同じである。インタビューされた人の物を考えないはしゃぎ方を見ていると気分が落ち込む。胃に鈍痛がくる。

ただ、各界からの招待者のなかに昨年沖縄戦没者追悼式で平和の詩「生きる」を朗読した今は高校生の相良倫子さんもいるそうだ。私は彼女の詩そのものに価値はあまり感じないが、その主張<おろかな戦力によって、平和は実現しない>には共感する。彼女が招かれたことに現政権よりも平和を願う皇室の姿勢を感じる（朝の番組で青木理さんらも語っていた…この発言はすでにYouTubeにアップされている）。新天皇の「お言葉」がお題目ではなく平和につながることを願うが、天皇は政治には関与できない。それを決めるのは国民である。改憲を声高に主張する安倍政権を支えているのは国民なのだ。

雨の火曜日だった。この日記に<イイネ！>は不要です。いずれにしても天皇制を語ることは禁忌にふれるので。しかも慶事の日に。