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2012年03月25日07:25

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頂き物0−06

『私的ゼロ外伝合作場』コミュにおける綾華☆☆様の物語に更新がありましたのでお知らせいたします。今回は惑星アヌーからの救出者を乗せたマイティスターに迫るダークロプスとの戦闘と、死滅したアヌーに降り立つ黒い影という趣向です。

日記の公開設定の関係上、本文を僕のコミュのうちの1つである『お話の預かり所』に置いておられますが、こちらでも公開させていただきます。

どうぞご覧ください。


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『宿命の旅路』第0章−06(綾華☆☆)


 マイティスターのエンジンを狙う三体のダークロプス。
 豪雨のような弾幕とて、ベリアル銀河帝国の冷酷なる猟兵相手にはコケ脅しにもならない。
 右舷下部に張り付くジャンボットを牽制しつつ、一体のダークロプスがエンジンの真後ろに迫る。

「よし! 全速前進っ!」
 マレクの叫びを受け光量を上げたエンジンに、ダークロプスの電子の視界が一瞬ホワイトアウトする。そこへジャンボットのバトルアックスが一閃、ダークロプスを唐竹割りにする。

「まだ、二体」

 センサーを拡大するジャンボット。残る二体のうち、一体は邪魔をするジャンボットを仕留めるべくダークロプススラッガーで打ちかかり、一体は左舷からエンジンへと弾幕をかわして迫ってくる!

「兄貴っ」
「大丈夫だ。とにかく弾幕を切らさないのが俺達の役目だ!」

 空になった弾装ラックを蹴飛ばし、ランはまた新たな弾装ラックをセットする。


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「船長、あれですかい」
 舵輪を握るルクが、ニヤリとする。
「そう、あれだ。総員聞こえるか。非戦闘員は角に固まれ。危険なモノはすぐさま固定しろ。母親は子供を守れ! 戦闘員は体を安定させろっ」
 矢継ぎ早な指令に、艦内の全員がすぐさま動き出す。


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 1体のダークロプスと格闘しつつ、マイティスターを見上げるジャンボット。その眼前で、別の1体がマイティスターのエンジンめがけ、ダークワイドショットの構えを取る。
「ラン、ナオ!」
 眼前の敵を振り払おうとするジャンボット。だがその動きは、容赦なく打ちかかる相手に封じられてしまう。

「船長、行けますぜっ」
 舵輪を取るルクの横でジャイロを睨む、グスの生き残りバインの声。火器を担当するムセの生き残りヤオも頷く。

「よし、全員掴まれ! 体を固定しろっ」
 瞬間、ルクが舵輪をいっぱいに回し、バインがジャイロを操作する。途端、マイティスターは艦首を基点に逆立ち状態になり、一気に天地が入れ替わる。

「くらえ! ベリアルの人形めがっ」

 艦首にあるラムが緑色に輝き、そのまま直進。あわれエンジンを狙っていたダークロプスは、ラムのエメラルドビームと主砲で、木っ端みじんとなった。時を逃さず眼前の敵の腹を蹴飛ばすジャンボット。踏み留まり、再びジャンボットを狙おうとする最後のダークロプスに、ありったけの弾丸を叩きつける第3銃座。その火線が最大の弱点である単眼を撃ち抜いた。
 ランとナオの、大金星だ。
 電子頭脳を破壊され、ぶざまな姿のダークロプスを貫くジャンボットのエメラルドビーム。爆発する最後の帝国猟兵。

「ダークロプス、全6体殲滅成功っ!」
 ルクが舵輪にしがみつきつつ叫ぶ。
「近くに帝国軍のザコはまだいるか?」
「確認出来ません」
 レーダーを見ていたサバのシリルが叫び返す。

「よしっ、艦を起こせ」

 天地逆さまだったマイティスターが、ようやくまともな状態になり、艦内に安堵が広がる。

「みんなご苦労。これより艦を補修しアヌー星域を離脱する。
 作業が終了次第、エスメラルダに向けてジャンプだ。
 それまでに、みんな腹ごしらえもしておいてくれ」

 ジャンボットは感嘆していた。
 戦艦を倒立反転させるなどという荒業は、鋼鉄の武人にとっても初めて見るものだったのだ。




 数時間後、修理を終えたマイティスターは、エスメラルダへ向けてジャンプを開始するカウントダウンに入った。ジャンボットもチェンジジャンバードで、すでに伝説のスターコルベットへと姿を変えている。

「みんな、よく聞け。故郷はこれで見納めだ。
 だが、俺達は生きてる。新しい故郷を探すんだ」
 マレクの声が響く艦の窓には、アヌー星域の生存者たちが窓に張り付いている。
 ランとナオもまた右舷第3銃座から、遠のく故郷を振り返っている。

「ジャンプ開始!」
 その言葉とともに、超空間に突入するマイティスター。ジャンバードも、忠誠を誓うエスメラルダへとジャンプした。




マイティスターとジャンバードの姿が超空間に消えてしばらくした時、一つの黒い影が惑星アヌーに、死体の転がるのみのシティに降り立った。

「……生命反応なし」

 先程マイティスターとジャンボットによって倒された、ダークロプスに酷似したその姿。だがそれは、断じてダークロプスではない。
 シティの中央広場が視野に入ったとたん、一気に光量を高める光電子の単眼。その回路を乱舞するパルスの渦が、ダークロプスたちの持ちえぬはずの情念めいたものを迸らせる!

「見つけたぞ、きさまの足跡を。この宇宙こそ俺が戻らねばならなかった場所……」

 アヌーの民が築いた、救世の英雄ウルトラマンゼロの像。その前に歩み寄るや、一撃で打ち砕く黒き巨人。

「待っていろ。ウルトラマンゼロ!」

 死の静寂を破り響く、機械の魔人の叫び。
 数多の次元の壁を越えた、ダークロプスゼロの帰還だった。

−07へ続く
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第0章−05
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