読書日記「あなたまかせのお話」レーモン・クノー 作(国書刊行会・塩塚秀一郎 訳 2008年)小説に限らず戯曲・エッセイなど、雑誌等に掲載された小品を集めた短編集。巻末にラジオ対談「レーモン・クノーとの対話」を収録。なにかふんわりした、完成されてい
読書日記「防雪林・不在地主」小林多喜二 作(岩波文庫)二重三重にも搾取され不作にあえぐ小作農たち。地主階級との闘争は都市労働者とも連対して大きなうねりとなってゆく「不在地主」。その下敷きとなった未発表作「防雪林」を併載。「防雪林」の冒頭主人
読書日記「チョムスキー入門」生成文法の謎を解く町田健 (光文社新書・2006年)言語学を革新したチョムスキーの生成文法。わかりやすく解説するとともにその問題点を多く指摘。言語学はおろか他分野にも広く学術的影響を与えたとされる「生成文法」について
読書日記「覚える」と「わかる」知の仕組みとその可能性信原幸弘 著(ちくまプリマー新書)様々な状況における様々な理解と学習。「わかる」こととはどういう心と体の働きなのか、平易な例を豊富にあげて解説。覚えること、わかること、状況を把握すること。
読書日記「アンダー、サンダー、テンダー」チョン・セラン 作(クオン・吉田凪 訳)毎朝同じバスで高校へ通う仲間。やがて映画美術を職業にした彼女がかつてを振り返りながら、友人たちの様々な生き方を綴る現代韓国文学。2014年の作品なのでまさに現代日本
読書日記「死者にこそふさわしいその場所」吉村萬壱 作(文藝春秋)とある街に生きる人々の日常が狂気を含んでどす黒く変質していく。しだいにすべてが繋がっていく短編連作。巻頭話を読んだ限りでは不倫の設定で書かれた男と女の話で、トーンは暗いものの狂