読書日記「とどめの一撃」ユルスナール 作(岩波文庫)バルト海沿岸の地方都市で反ボルシェビキ闘争に身を投じるエリックとコンラート。そしてコンラートの姉ソフィーのエリックへの届かぬ愛。内戦下の青年の愛と悲哀を描く。この話にはモデルがあり、ユルス
読書日記「デイジー・ミラー」ヘンリー・ジェイムズ 作(新潮文庫)旧弊にとらわれず、誰とでも自由に大胆に付き合うアメリカ人女性デイジー。彼女に魅せられた青年はスイスの町からローマへと彼女を追う。いったいデイジーとはどういう女性なのか?夜遅くと
読書日記「仮面の陰に」あるいは女の力ルイザ・メイ・オルコット 作(幻戯書房ルリユール叢書)名門コヴェントリー家に新たに雇われた家庭教師ジーン・ミュア。彼女は身分・本心を偽りながら成り上がろうとするしたたかな女だった。「若草物語」の作者オルコ
読書日記「戦いの後の光景」フアン・ゴイティソーロ 作(みすず書房 1996年)移民で溢れかえるパリを愛し、少女との裸の交流を妄想する主人公。細かいエピソードがモザイク状に折り重なる奇作。1982年、パリ郊外の町ではしだいに移民が溢れて、知らない文字
読書日記「軋む心」ドナル・ライアン 作(白水社EXLIBRIS)アイルランドの田舎町で起きた殺人と幼児誘拐。街に暮らす21人のモノローグで事件のありさまがしだいに浮かび上がる。会社経営を引き継いだ御曹司は資金をドバイの不動産に投資して会社を倒産させて