読書日記「エルナニ」ユゴー 作1830年初演。若きユゴー28歳の作品。貴族出身の身を隠して山賊の頭目となり、亡き父の仇を狙う青年エルナニ。そしてお互い思いを寄せる美しき名家の娘ドニャ・ソル。老齢でありながら彼女を娶らんとする誇り高き公爵。同じく彼
読書日記「三文オペラ」ブレヒト 作警察に逮捕された主人公の悪党が囚われているのが鳥かごのような檻で、簡単に脱出できてしまう。これだけでこの作品全体が大きな冗談であることがわかる。でも舞台というものはたいがいそんな象徴で構成されているのかもし
読書日記「三つの物語」フローベール 作数少ないフローベールの短編を3つ集めて1冊としたもの。作家本人の企画。細かい話はヌキにした物語小説の醍醐味が味わえる。「素朴なひと」:一人の純朴な使用人女性の生涯が、短いエピソードの連続をもって語られる
読書日記「オイディプス王」ソポクレス 作有名な父親殺しのオハナシ。ギリシャ悲劇の基本形として、一度に舞台に上がる人数は制限されており、別に合唱隊が控えていて芝居と合唱が交互に繰り返されて進行する。これがメリハリがあって楽しい。怪物スフィンク
読書日記「土台穴」アンドレイ・プラトーノフ 作土台穴とは、労働者住宅の建設にあたって掘られる基礎工事のための大穴である。スターリンの威光輝くソビエト黎明期。あまりに内省的・思索的な性格で作業効率が悪く、工場をクビになった青年ヴォーシェフ。彼