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日記一覧

「狂い凧」
2019年08月29日21:21

読書日記「狂い凧」梅崎春生 作(講談社文芸文庫)双子の兄弟栄介と城介。一族のボスとして一家に介入してくる叔父。兄弟の運命はしだいに分かれ、衛生兵として大陸を移動するうち薬物に犯される城介。戦後、栄介は戦死した城介の足跡を追う。語り手は栄介の

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「セルバンテス短編集」
2019年08月23日12:27

読書日記「セルバンテス短編集」(岩波文庫)はるか昔のスペインでドン・キホーテが出版されたのが1605年。その後書かれた短編小説がこれだけ時代を超えておもしろいのだから、世界文学あなどるべからずである。セルバンテスが小説家として活躍したのは69歳で

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「南海千一夜物語」
2019年08月16日20:25

読書日記「南海千一夜物語」スティーヴンスン 作(岩波文庫)南太平洋サモアに移住した英国作家スティーヴンソンが、当地で書き残した異色海洋冒険小説3編。「ファレサァの濱」:悪党退治の冒険譚だが悪党の惨殺に容赦がない。「瓶の妖鬼」:これは怪奇短編

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「世界のすべての朝は」
2019年08月09日21:01

読書日記「世界のすべての朝は」パスカル・キニャール 作(伽鹿舎)ヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の名手兼作曲家の男。亡くした妻をつねに思い、残された二人の娘とともに演奏に生きて名声を得るが、興行を嫌い世間に背を向け、ただ自然の声を聞いて言葉

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「江藤淳と大江健三郎」
2019年08月06日20:41

読書日記「江藤淳と大江健三郎」小谷野敦 著(ちくま文庫)大江健三郎に圧倒的支持をささげる著者による江藤淳との抱き合わせ評伝。大江健三郎はちょこちょこ読んできたけど、保守派論客の代表格であった江藤淳は読んだことがない。私もそうだが、小説を読む

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