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日記一覧

読書日記「白土三平伝」カムイ伝の真実毛利甚八 著(小学館文庫)漫画・劇画史に巨大な足跡を残しながら、その人物が謎につつまれた白土三平。プロレタリア画家のもとに生まれた少年時代から、房総の海で自然と共に生きる老境までをトータルに追う。プロレタ

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読書日記「チョンキンマンションのボスは知っている」小川さやか 著(春秋社)遥かアフリカから単身香港へ渡航して稼ぐタンザニアブローカー達。その融通無碍なコミュニティと独特な経済システムを追いかけた人類学的ルポ。香港のチョンキンマンションは店舗

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「永遠の歴史」
2020年05月19日20:59

読書日記「永遠の歴史」J.L.ボルヘス 著(ちくま学芸文庫)永遠とは?また時間の循環とは?隠喩とは?「千夜一夜物語」はどのように訳されて来たか?小説作品と相通じるボルヘス珠玉のエッセイ集。今さら自分が言うことでもないが、ボルヘスのあまりの博覧強

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「ソヴィエト旅行記」
2020年05月15日20:22

読書日記「ソヴィエト旅行記」ジッド 著(光文社古典新訳文庫)共産主義の夢と理想を求めてソヴィエトを訪れた作家ジッド。だが彼が目の当たりにしたのは、既にスターリンの独裁体制となり果てた悲惨な国家の姿だった。「ソヴィエト旅行記」と、その批判に対

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「夫婦の一日」
2020年05月13日20:43

読書日記「夫婦の一日」遠藤周作 作(新潮文庫)50代後半から60代。人生の円熟期を迎えてなお、自身の利己的な欲望を見つめるクリスチャンとしての日々を描いた短編集。これらの短編が書かれたのは1980〜83年。「六十歳の男」:60歳を迎えた自分がいかにも死

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「戦後史入門」
2020年05月11日20:54

読書日記「戦後史入門」成田龍一 著(河出文庫)信頼できる歴史家成田龍一による青少年を対象にした戦後史ガイド。単なるガイドというより歴史を学ぶとはどういうことか、その基礎から解説。長い長い戦後史のトピックを順番に追っていったところで、若い読者

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「すべては消えゆく」
2020年05月08日21:23

読書日記「すべては消えゆく」マンディアルグ 作(光文社古典新訳文庫)ある日地下鉄で知り合った謎の女。女優であり娼婦でもある彼女と演劇についての薀蓄を語り合ううち、秘密の娼館に誘われるが…。恐怖と破滅へ至る幻想文学。シュルレアリスム文学は歓迎

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「シーシュポスの神話」
2020年05月04日21:07

読書日記「シーシュポスの神話」カミュ 著(新潮文庫)不条理を前にひるまず、敢然と受け止める若きカミュの論考。ここで言う不条理とは具体的には死のことだが、それは論考の冒頭ふれられるだけなので、あとはそれを心において読まなければならない。実存主

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