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日記一覧

「夜と陽炎」耳の物語2
2019年05月30日20:59

読書日記「夜と陽炎」耳の物語2開高健 作(岩波文庫)自伝小説「耳の物語」後編。牧羊子との学生結婚後、サントリー宣伝部でコピーライターとして日々の生計を立て東京へ転勤。夜の街を彷徨う毎日を経て作家デビュー、芥川賞受賞。フランスを拠点にヨーロッ

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読書日記「カッコウが鳴くあの一瞬」残雪 作(白水Uブックス)表題作等ごく短いものと、やや中編をまとめた初期短編集。後年の抜け出せない悪夢に比べれば、やや爽やかな風が吹いている悪夢といった感触。これは語り手が女性で恋愛をとりあげているところに

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「科学と宗教と死」
2019年05月21日21:21

読書日記「科学と宗教と死」加賀乙彦 著人生最終コーナーを回って自身の死について考えないものはいない。思わぬ形で突然死んでしまうことは、身の回りを見てもざらにあることである。著者は少年時に戦争を体験し、東京拘置所医務技官として死刑囚にも接し、

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「お気に召すまま」
2019年05月16日21:37

読書日記「お気に召すまま」シェイクスピア 作(新潮文庫)福田恒存訳の新潮文庫のシリーズが楽しいので少しづつ読んでいる。まもなく悲劇へと重心を移すシェイクスピアの最後から2番目の喜劇。もちろんコメディではないがややドタバタとした印象を受ける。

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「ヴァニナ・ヴァニニ」
2019年05月14日21:04

読書日記「ヴァニナ・ヴァニニ」スタンダール 作(岩波文庫)文豪スタンダールの短編集。表題作と巻末中編「ミーナ・ド・ヴァンゲル」は純粋な創作物語だが、その他の「チェンチ一族」「パリアノ公爵夫人」「サン・フランチェスコ-ア-リパ」は歴史上の実話に

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「語るボルヘス」
2019年05月08日20:37

読書日記「語るボルヘス」J・L・ボルヘス 著(岩波文庫)ボルヘスについては、その虚構の文献を作るような作風がどうも馴染めずもどかしさを感じていた。語っているボルヘス本人が透けて見えて、ロマンあふれる世界へ連れて行ってくれないのだ。その点でこの

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「かくれんぼ・毒の園」
2019年05月04日21:07

読書日記「かくれんぼ・毒の園」ソログープ 作(岩波文庫)ソログープは19世紀末から20世紀初頭において花開いたロシア象徴主義の前期を代表する作家。神秘的・幻想的な作風だが、この短編集は子供が主となる作品が多くファンタジーのような風味がある。しか

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