読書日記「バルザックと小さな中国のお針子」ダイ・シージエ 作文化大革命の中国。山村へ再教育に出された二人の青年と村のお針子の少女の、禁じられていた書物の世界をめぐる恋と友情の物語。なにが青春なのかはさておき、これはまぎれもない青春小説だと思
読書日記「心臓抜き」ボリス・ヴィアン 作もちろん作為なのだが作為的には感じない、ごく自然体で書かれたシュールレアリスム小説といった風情。特異な設定の中でも会話が理屈っぽくなく、素直な感情のやりとりで馴染みやすい。それでも出来事はある種シュー
読書日記「残念な日々」ディミトリ・フェルフルスト 作ベルギーはフランダースの作家。父親とその兄弟たちやばあちゃんと暮らした自身の生い立ちをもとに描いた短編集。隣近所でも付き合いを避けているほどの大酒飲みぞろいの一家で、たびたび警察のやっかい