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2007年07月31日19:56

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3つの来歴

よそ様のページで長々と書くわけにもいきませんので・・・。

吸血鬼と人魚とゴルゴンの3つははるかな昔から心の中に抱え込んでいるイメージで、由来は小学生時代にさかのぼります。

一般的なイメージに最も近いのは吸血鬼ですが、これはやはり咬まれたら自分が自分でないものになるという恐怖がまず根源的なものとしてあります。あまりにそれが恐ろしかったので、その恐怖を毒消しするために美化するに至ったのが唯一の生まれながらの吸血鬼である白髪の乙女のイメージです。この姿にまとまったのは僕が小学校4年生の時でした。自我への脅威としての恐怖であるがゆえに、これは僕にとって最も根深いところに位置するイメージで、自分が自分でなくなるということを通して自分が自分であるということはどういうことかを折に触れ突き付けてくるものでした。

人魚は吸血鬼に比べるとかなりややこしい来歴を持っています。事の起こりは小学校3年生の時に図書室で見た図鑑の図版で、群体を作る植物性プランクトンの繁殖の様子を描いたものでした。そこには古い群体が崩壊して、内部で育っていた新しい群体が外界へ誕生する様子が描かれていました。
これを見て、僕はなぜこんなことをするのか、古い群体がいつまでも生き続けていればいいのではないかと思いました。その裏返しとして、親が子を生むタイプの繁殖はバクテリアやアメーバの分裂とは異なり親の死が前提となっているものだということ、親が死ぬことを免れないから子供を生むのだということがなんとなくわかってしまい、心の奥に刷り込まれてしまいました。
もう少し後に、ある種の爬虫類(日本にいるものではマムシ)が卵を生むにもかかわらず母親の体内で卵を孵化させ子供の姿で産み落とすことを知って、この2つの要素と広い海への畏怖が人魚の姿に投影されました。
僕のイメージでは、人魚は種族としての命運がもはや尽きた存在です。いつの頃からか雄がいなくなり、人魚は自分と全く同じ遺伝子を持つ卵を1つ体内に宿して生まれます。それは500年かけて体内で成長し、卵が孵るとさらに500年、母は子を体内に宿し続け、彼らは対話を交わし続けます。そして500年目で子が外界に産み落とされる時、母は死んでしまいます。だから人魚はもはや数が増えることがありません。7つの海といわれますが、すでにもう7匹も残っていないので、めったなことでは仲間と出会うこともなく、何代も前の祖先が巡り合ったときの記憶を母が子に語り継ぎながら果てしない大洋を泳いでいます。だから人魚の歌声は常に孤愁と滅びの予兆に濡れています。

ゴルゴンは吸血鬼や人魚と異なり姿が先行しています。もともと怪獣が大好きだったので、ギリシャ神話のゴルゴンの姿を自分の趣味にあわせていじりまわしているうちにおおまかなデザインができました。設定は姿の後追いでできたようなものです。
はっきりいって、僕にとってのゴルゴンは宇宙怪獣です。知性はあるものの文明は持っていません。熱エネルギーを糧として生きる存在で、かつては自らの星でくらしていましたが、天敵を滅ぼしてしまったために種族としての自らを制御することができず、自らの星を食いつぶして離散してしまいました。地球には少なくとも3匹が漂泊の末に飛来していますが、そのうち幼体だった1匹は人間に殺されていて、これがギリシャ神話でメドゥサ退治として語られている事件です。
しかし成体のゴルゴンはおよそ人間がどうこうできる存在ではありません。体は決して大きくはないものの、熱エネルギーを制御する力があるので任意の物体を燃やすことも凍らせることもでき(石化として伝えられる現象は凍結です)局地的な環境や気象を変えてしまうこともできます。
しかし彼らは、この星では自分たちはしょせん異物にすぎないと考え、自らの星を滅ぼしたことを悔悟しつつ身を潜めて生きています。そんな彼らの目には人間の姿はかつての自分たちと重なるものとして映っているようです。
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