今年最大のIPOとされ、ナスダック市場に上場した宇宙会社のスペースXが、かねて噂されたようにEVメーカーのテスラと経営統合することになりそうだ。20日、両社のCEOであり大株主でもあるイーロン・マスク氏が統合へ向けて協議していることを表明した。
◎AIが主戦場になるなか決断
統合が実現すれば、M&Aで世界最大となる。両社を合わせた時価総額は約3.5兆ドルとなり、時価総額世界5位のアマゾンを抜き、マイクロソフトに次ぐ5位となる(図)。
マスク氏の統合の狙いは、AIがテック企業の主戦場になるなか、両社を一緒にして競争力を高めようというものだ。
スターリニスト中国勢に押されEV販売が伸び悩むテスラは、AI企業への傾斜を強めている。自動運転用のAI開発、半導体設計、ロボタクシー、ヒト形ロボットの開発に注力している。
またスペースXは、旧ツイッターの「X」の傘下にあったAI企業を買収済みだ。この6月にナスダックに上昇済みの同社は、ロケット部門がなかなか黒字化せず、今のところ衛星通信部門の収益に頼っている。
◎既に一部で進む共同事業、さらに前進か
両社が統合すれば、ロケット部門の赤字をテスラのEVで補完できるばかりか、AI開発に相乗効果を発揮できる。
既に両社は、アメリカに半導体工場を設ける「テラファブ」計画に共同で取り組んでいる。AIを動かすための半導体やデータセンターなどのインフラからロボタクシーやヒト形ロボットなどを一貫して手がける態勢が出来る。
統合の形式は、時価総額の大きいスペースXがテスラを株式交換で買収する案が有力視されている。
日本にこうした統合対応できる有力企業が無いのが寂しいが、実現すればマスク氏が狙う夢のAIメガ企業に一歩近付く。
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