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2026年09月11日03:52

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新種「海のTレックス」を発見、体長13メートル超の頂点捕食者のティロサウルス・レックス(下)

 古生物学者たちがカンザス州出土の8400万年前のほぼすべての化石をT・プロリゲルとしてきたことに初めて疑問を呈したのは、テキサスの古生物学者のジョン・サーモンドで、1960年代、私信の中で、最大のT・プロリゲルの標本は独自の種なのではないかと指摘し、冗談めかして「ティロサウルス・タラソティラヌス」すなわち「海の暴君」と呼んでいた。しかし、彼がこの考えを正式に発表することはなかった。

◎明らかにT・プロリゲルではない何か
 サザン・メソジスト大学の脊椎動物古生物学者で、論文の共著者であるマイク・ポルシン博士は2010年、ダラス近郊で化石を採集したアマチュア化石ハンターから巨大なティロサウルスの標本を寄贈されたが、その特徴のいくつかに違和感を覚えた。
 ポルシン博士は本来の研究と並行するプロジェクトとして、数年にわたり化石ハンターたちから追加の標本を譲り受けたり、テキサス州オースティンやウェーコにある他のコレクションを調査したりした。その中で次第に、「明らかにT・プロリゲルではない何かを示唆する」解剖学的特徴が繰り返し現れることに気づいたという。
 一方、ジートロー博士は、最初は学部生として、その後はアメリカ自然史博物館での博士課程研究の一環として、モササウルス類を研究していた。博士が同博物館の膨大なティロサウルスの化石コレクションを調べていた時、テキサスで採集された大型の標本が目にとまった。

◎細かい鋸歯状の歯、強力な顎
 2022年にポルシン博士がジートローさんの博士論文の外部アドバイザーに就任した際、ジートローさんはこの標本についてポルシン博士に尋ねた。ポルシン博士は当初、はぐらかすような態度をとっていたものの、その後、実は同じような巨大な標本をいくつか突き止めたと打ち明けたという。
 ジートローさんはそれから数年がかりでテキサス州、ニューヨーク州、マサチューセッツ州の博物館を訪れ、所蔵されている多くのティロサウルス化石を再び計測した。
 研究チームは、様々な博物館に所蔵されている最大級のティロサウルス標本のうち、ペロー自然科学博物館の体長9.4メートルの「ヒース・モササウルス」、イェール大学ピーボディ博物館の「ソフィー」、カンザス大学自然史博物館の巨大な「バンカー・モササウルス(写真=骨格と復元想像図)」など10数点に、奇妙な特徴が共通して見られることを突き止めた。それらはすべて、モササウルス類としては珍しい細かい鋸歯状の歯を持ち、頭蓋と首には、より強力な顎に関連した適応が見られた。

◎独自の種=新種であることを突きとめる
 ジートローさんは、学部生時代の研究では、巨大な標本は単にT・プロリゲルの「成体」ではないかと考えたこともあった。今回、そうではないことを確かめるため、現生種のトカゲ130種の骨格も測定し、その頭蓋の特徴が一生を通じてどのように変化するかを調べた。ティロサウルスはトカゲやヘビと同じ有鱗目に属する。
 その結果、T・プロリゲルと大型のティロサウルスとの間に見られた解剖学的差異は、トカゲの成長に伴って変化する特徴とは異なることが明らかになった。また両者の代表的な標本には年代に約400万年の差があることからも、テキサスの大型のティロサウルスは独自の種であると考えられた。

◎特徴をよく表し、オマージュにも
 T・プロリゲルの標本は最大のものでも全長約9.5メートルだが、Tレックスの標本はすべて7.7メートル〜13.2メートルの範囲にあった。
 それを考えると、今回のティロサウルス・レックスは、「とんでもなく大きなトカゲ」(ペロー自然史博物館学芸員のロン・ティコスキ博士)となる。海のTレックスは、攻撃的で恐ろしい動物だったようだ。同博物館が所蔵する数点の標本のうち、「ブラック・ナイト(写真)」という愛称で呼ばれる個体は、吻の先端が欠損していて、下顎は骨折している。
 これは、同種個体間で激しく暴力的な争いがあった証拠だろう。ティコスキ博士の推定では、「大型のティロサウルスにこれだけの傷を負わせられたのは、同じ大きさの別のティロサウルスだけだっただろう」という。
 ジートローさんは、学部生時代にバンカー・モササウルスを見た時に頭をよぎったことを思い出し、半ば冗談で「Tレックス」という名前をポルシン氏に提案した。
 しかしポルシン博士は、その名前がこの種の解剖学的特徴をよく表しているだけでなく、1960年代のサーモンドの提案へのオマージュにもなるとして命名に同意した。
 「海のTレックス」がもし存在するとするなら、巨大なティロサウルスにその名が与えられるのはふさわしいとも言える。
(完)

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202609110000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「旧ユーゴ3カ国周遊(37):ブレッド湖のセーリングでチトーの元別荘を遠望」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202509110000/

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