8月26日にネパール中部とスターリニスト中国支配のチベットの国境付近で起こった大規模土石流は、30日現在で804人の死者と3048人の行方不明者を出した大災害となった(写真)。救助活動が進むにつれ、犠牲者はなお増え続けている。
◎この10年で数十年前の4倍もの氷河の融解が進む
この大規模土石流は、多くの川岸の人家や橋などを巻き込みながらボテコシ川をすさまじい勢いで流れ下った。
僕は最初、このニュースに接した時、氷河が崩壊したと直感した。はたしてそうだった。世界中の地形を見張っているアメリカ地質調査所が氷河崩壊が原因と示したのだ。
ヨーロッパの異常熱波やライン川の異常渇水、野火などに示されるように、近年の地球温暖化の昂進は、世界の氷河を急速に痩せ劣らせている。スイスの世界氷河監視サービス(WGMS)によると、2016年〜25年の10年間に融けた氷河の量は、年平均3900億トンにのぼる。1976年〜95年の20年間の年平均1000億トン未満から、4倍近い融解量になっている。
◎スイスでも村が飲み込まれる被害
それだけ急速に氷河が失われている。それだけ融けた水を受け止める氷河湖は、いつ崩壊・氾濫するか分からない。実際、2021年2月にはインド北部のチャモリで氷河の融けた大量の氷と水が岩石とともに水力発電所を襲い、下流の200人以上の死者・行方不明者が出た。昨年5月にはスイス南部バレー州でアルプスの氷河が崩壊し、麓の村を埋めた(写真)。
このような地球温暖化による災禍が加速度的に起こっているのに、地球温暖化阻止の動きは、近年、後退の一途だ。トランプのように二酸化炭素排出増による地球温暖化を否定するアホもいる。ちなみにヨーロッパ各国で伸長する極右ポピュリスト政党はみな、二酸化炭素排出増による地球温暖化に否定的だ。
◎小規模ながら日本の氷河も縮小が続く
たとえ今すぐに全面的に二酸化炭素排出をゼロにしたところで累積した温暖化効果ガスで地球温暖化は少しずつ進んでいく。したがって氷河融解による土石流に流される災害はこれからもさらに頻繁に大規模化して起こるだろう。
日本でも小規模だが、氷河が確認されていて、現在、北アルプスの長野側に5カ所、富山側に5カ所の計10カ所が知られている(写真=10カ所のうちの2カ所)。
ところがこの貴重な氷河も縮小し続けていて、先頃、新潟大の奈良間千之教授の調べて、約40年間で厚さが20メートル以上減少した氷河のあったことが公表された。
自然災害をもたらすほどの規模ではないが、氷河が世界的に消失しつつある一環である。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「エチオピア、アファール地方で異なる2種のホミニンの歯を発見、年代は260万〜280万年前とかぶり、同所・同時的に共存」
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