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2026年06月29日01:39

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ハトはどうやって遠距離の所から巣に帰るのか、頼りの磁気コンパスは免疫細胞のマクロファージだった(後)

 動物行動学者と免疫学者が、国際学会の休憩中に、ちょっとした会話で、ひらめいた。

◎鉄を溜め込んでいたマクロファージ
 研究者たちは公園などに群れているカワラバト(Columba livia=写真)の目、くちばし、脳、脾臓、肝臓を調べ、鉄を溜め込んだマクロファージを肝臓で高い濃度で発見した。これらの免疫細胞は神経線維のすぐそばに位置していた。
 神経細胞とマクロファージが実際に情報をやりとりしている可能性は非常に高い、と論文の筆頭著者で、ドイツ、ボン大学の免疫学者であるクリビア・リソウスキー博士は語る。
 肝臓のマクロファージ(写真)が鳥のナビゲーションに関わっているかどうかを確認するため、研究チームは34羽のハトを用いて一連の実験を行った。
 ハトたちは、アルプス山脈の麓のドイツの田園地帯を、タカやハヤブサなどの猛禽類をかわしながら19キロ飛行するように訓練された(写真=住宅や公園などで群れるハト)。

◎免疫細胞が無いハトは巣に帰れなくなった
 訓練さえ終われば彼らは完璧だ。どんな敵もかわす。悪魔に追われているかのように、彼らは必死に飛んで帰ってきた。
 ところがマクロファージを除去すると、ハトは曇天時には帰巣できなくなった。だが雲が晴れ、太陽が再び顔を出すと、マクロファージを除去したハトも問題なく帰巣できた。
 この結果は、ハトが視覚的手がかりと磁気的手がかり、すなわち頭上に輝く太陽と地下で脈打つ地球の磁場の両方を使って道を見つけていることを示唆する。太陽が雲に隠れている間は、ハトたちは体内のコンパスに大きく依存して飛行しているようだ。

◎深まる謎、他の動物ではどうだ?
 研究チームは、自分たちが提唱する磁気受容のメカニズムについては、まだ解明すべき点が多く残っていることを認めている。地球の磁場と調子を合わせるために、マクロファージの内部でどんなことが起きているのだろうか? その信号をどの神経が脳へと伝えているのだろうか? そして脳のどの部位が、その情報を処理するのだろうか?
 私たちの論証には多くの穴があるのは事実だが、それを少しずつ解消していくことで、この発見の妥当性を裏付けられると思う、とクルツ博士は語る。
 研究チームは、他の動物も免疫系をコンパスとして利用しているのか、それとも生命は地球の磁場を解読する方法を何種類も進化させてきたのかについても明らかにしていきたいと考えている。

◎地球磁場を「見ている」可能性も
 また今回の研究に参加していない別の研究者は、鳴き鳥は目の磁気感受性分子を使って、通常は見えない地球の磁場を「見て」いると示唆かるが、今回提案されたマクロファージのメカニズムには説得力があるとも評価する。
 なぜなら動物が進化上の優位性を得る方法には、ほとんどの場合、複数の解決策が存在するからだ。
 実際、今回の研究は、磁気受容の仕組みをめぐる長年の議論に一石を投じたが、『サイエンス』の同じ号に掲載された論説記事で、今回の研究は肝臓以外の器官がナビゲーションに何らかの役割を果たしている可能性を否定するものではない、と研究者のサイモン・スパイロ博士とハル・ドレイクスミス博士は指摘する。太陽が照っていない状況においては、特にそうだ。
 異なる精度で機能するプロセスが共存していて、長距離のナビゲーションでは一方のプロセスが主導的な役割を果たし、より具体的な目的地の探知にはもう一方のプロセスが用いられるのかもしれない、と、2人は論説記事で述べている。実際、暗闇の中で家に帰る手段を複数持っておくのは賢明かもしれないからだ。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202606290000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

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