世界最大級の鳥であるヒクイドリ(Casuarius casuarius=写真)の頭頂部にあるとさか(鶏冠)が紫外線に反応して光ることが新たな研究で明らかになった。ヒクイドリのとさかの蛍光発光を実証したのはこれが初めてだ。論文は2026年2月24日付けで科学誌『Scientific Reports』に掲載された。
◎現存は3種、いずれも大型
ヒクイドリはオーストラリアとパプアニューギニアの熱帯雨林や山岳地帯に生息し、爪は短剣のように長く(写真)、体重は63キロを超えることもある巨鳥だ。オーストラリア大陸に棲むエミューのように、大きすぎて飛べない鳥だ。
現在知られているヒクイドリ属の3種はいずれもケラチンで覆われた骨質のとさかを持つが、その大きさ、形、色はそれぞれ異なる。通常、とさかは成長するにつれて大きくなり、性的に成熟する頃に最大になる。
この奇妙な突起は、見た目は角のようだが、実は他の動物が持つ角とは全く別物だ。
ヒクイドリのとさかは、紫外線を当てると青緑色に光る(写真)。フロリダ州の「ヒクイドリ保護プロジェクト」で飼育されている「ジンジャー」と名付けられたられこの鳥は、新たな研究でこの能力を示した初の生きたヒクイドリだ。
◎ヒクイドリ「ジンジャー」のとさかは光った
「ジンジャー」と名付けられた体高約1.8メートルのヒクイドリは、穏やかな性格で、実験になじみやすかった。2021年3月の暖かい夜のこと、「ジンジャー」の頭にある角状の突起に含まれるケラチン(人間の皮膚や髪にも含まれる蛋白質)が、紫外線の下で蛍光を発するかどうかを科学者たちが調べようとしていた。それまで、この大型の飛べない鳥で、蛍光現象が確認されたことはなかった。
解剖学者で古生物学者でもあるニューヨーク工科大学オステオパシー医学部のグリーン博士は、紫外線ライト(ブラックライト)を携えて、ジンジャーが飼育されているフロリダの「ヒクイドリ保護プロジェクト」を訪れた。紫外線は人間には見えないが、多くの鳥には見える。
その夜、1人の飼育者と一緒に外に出たが、彼はどうせ何も起こらないだろう、とグリーン博士をからかった。
しかし、フェンス越しにジンジャーのいる暗闇に紫外線ライトを当てると、状況は一変した。「それまで見た中で一番鮮やかな蛍光だった」とグリーン博士は、思わず感動の声が出るほどだった。とさかが光ったのだ。
◎ヒクイドリは恐竜に最もよく似た現生動物の1つ
研究者たちは長年、ヒクイドリとそのとさかに関心を寄せてきた。ヒクイドリは絶滅した多くの恐竜に最もよく似た現生動物の1つだからだ、とイギリス英サウサンプトン大学の古動物学者ダレン・ナイシュ博士は指摘する。古生物学者たちがとさかに注目するのは、多くの場合、ハドロサウルス類やケラトプス類といった絶滅した恐竜の風変わりな頭飾りについて理解を深めるためだ。
しかし、ヒクイドリの研究は十分に進んでおらず、とさかはいまだ謎に包まれている。この角のような突起の役割については、頭の保護、体温調節、視覚的なディスプレイ、あるいはヒクイドリ特有の低周波の鳴き声を響かせるのに役立つなど、様々な仮説が提唱されてきた。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202605230000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記:「疲れ果てた大阪万博、やたら並ばされ、物が高い逆別天地(2):雨中の入場待ち1時間とアンドロイドの失望感」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202505230000/
ログインしてコメントを確認・投稿する