このチラシを受け取った時から楽しみにしていた。
日本人はなんでこんなに印象派が好きなの?…答えは簡単。だってキレイじゃん!神話も宗教も、地理も歴史も知らなくたって楽しめる絵画ですもの。松方幸次郎さんの功績も大きいわね、モネの睡蓮を知らない日本人はいないんじゃないかしら。
2月8日木曜日12時入場。結構混んでいる。第一展示室は流れがかなり滞留、階上に移ってようやくばらけてきた。2時過ぎに退場した時は、チケット売り場が長蛇の列。
ミュージアムショップは、印象派の作品が美しくグッズになりやすいためか、充実。なんとウスターソースまで売っていた。その分こちらもかなり混んでいた。
東京では、八王子になってしまうが、7月6日から9月29日まで東京富士美術館に巡回となるのでそちらで行ったほうが空いているかも?
「ウスター美術館所蔵」と副題にあるが、68点中15点が日本の美術館・企業所蔵。「第3章 国際的な広がり」の中で、黒田清輝、久米桂一郎、藤島武二、斎藤豊作、太田喜二郎、児島虎次郎、中沢弘光、山下新太郎が紹介されていてこれらの所蔵先がそうなのだが、日本人を8名11点も紹介する必要はなかったような気がする。(これら日本人が得た印象派については、昨年開催の
「ベルギーと日本 光をえがき、命をかたどる@目黒区美術館」が詳しかった)
それでも、印象派前夜とパリの印象派、アメリカなどの印象派画家たちの作品は、どれも粒よりでうっとりする作品が多く、十分楽しめた。ウスター美術館は、ボストン近郊にある美術館で、同館の印象派コレクションはほとんどが初来日らしい。
https://worcester2024.jp/
第1回印象派展から150周年を迎える2024年、印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした衝撃と影響をたどる展覧会を開催します。19世紀後半、大都市パリには国外からも多くの画家が集いました。パリで印象派に触れ、学んだ画家たちは、新しい絵画の表現手法を自国へ持ち帰ります。本展は、西洋美術の伝統を覆した印象派の革新性とその広がり、とりわけアメリカ各地で展開した印象派の諸相に注目します。
アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館は、1898年の開館当初から印象派の作品を積極的に収集してきました。このたび、ほとんどが初来日となる同館の印象派コレクションを中心に、日本でもよく知られるモネ、ルノワールなどフランスの印象派にくわえ、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの作品が一堂に会します。これまで日本で紹介される機会の少なかった、知られざるアメリカ印象派の魅力に触れていただく貴重な機会となります。
1伝統への挑戦
ナルシス・ヴィルジル・ディアス・ド・ラ・ペーニャ《山を下るボヘミアイン》
バルビゾン派の画家。印象派の先駆けと言われている。
ギュスターヴ・クールベ《女と猫》
リアリズムを追求したクールベ。官能的な女と猫の取り合わせは、日本の浮世絵美人画に見られるけれど、影響受けているのでは?
トマス・コール《アルノ川の眺望、フィレンツェ近郊》
アメリカの風景画家。船の中、天蓋の下には女の客と客のためギターを弾いて歌う男性。単眼鏡でないとわからないほど小さく描いている。
ウィンスロー・ホーマー《冬の海岸》
アメリカ写実主義の画家。打ち寄せる荒波の筆致に印象派を感じる。右下に人の足跡が。
2パリと印象派の画家たち
ポール・セザンヌ《オーヴェールの曲がり道》
アメリカに渡った初のセザンヌ絵画。1901年にカサットの助言でアメリカ人蒐集家が購入。
カミーユ・ピサロ《ルーアンのラクロワ島》
灰色の大気は産業革命の公害ゆえのものだが、印象派の画家はその煙をも愛した。
ピエール=オーギュスト・ルノワール《アラブの女》
小さな作品だが素晴らしい。背景のタイルの描き方もいい。
メアリー・カサット《裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル》
アメリカに印象派を紹介した功績も大きい。カサットらしい可愛い子供の描き方。
チャイルド・ハッサム《花摘み、フランス式庭園にて》
アメリカ印象派を代表する画家。メインビジュアルにも使われているこの作品はパリ留学時代に描かれたもの。鮮やかな色はマルタンや児島虎次郎を思い起こさせた。中景で花を摘む白いドレスの女性と奥のベンチで本を読む男性がいい塩梅に物語を作り出している。
クロード・モネ《睡蓮》
1909年デュラン=リュエル画廊で発表した睡蓮の連作のうちの一枚。松方コレクションの《睡蓮》は荒い筆致で色に深みがあって大好きだが、こちらの明るく淡いパステル色の睡蓮も実物を見たらうっとりとしてしまう。右奥の木立が映る緑色の水面から対角線に空を映す水面へのグラデーションに透明感があり、文句なく美しい。咲き始めた睡蓮の赤い花もアクセントになっている。
1910年美術館として世界で初めてウスター美術館がモネの《睡蓮》を購入。美術館が限られた予算で、将来どう評価されるかまだわからない新進気鋭の作家の作品を買うのは異例。デュラン=リュエル画廊との緊迫した書簡・電報のやり取りが紹介されていて興味深い。誰かに先越されては大変だが、理事会の承認を受けねばならないし、価格も「美術館割引」でいけるのかの念押し。
3国際的な広がり
アルフレッド・ステヴァンス《母》
画像はなし。寝室で若い母親が赤ちゃんに添い寝している絵だが、アカデミーな感じで、調度品の細々したものの柄や質感が美しく描かれている。壁には十字架と魔除け?の赤い組紐が掛けられている。この画家の絵、他に見たことがあるんじゃないかと日記を検索してみたら2013年「
奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作―@三菱一号館美術館」にあった。
ヨゼフ・イスラエルス《砂丘にて》
今日の妄想お持ち帰りはこちら。この少女、青い上着?を持ったまま物思いに耽る、それとも誰かを待っている?この画家の絵も一度見ていて気に入っている。
アンデシュ・レオナード・ソーン《オパール》
スウェーデンの画家。タイトルは湖面に反射した虹色の光の煌めきのことか。背中に当たる木漏れ日や草のキラキラが眩しい。
ジョン・シンガー・サージェント《水を運ぶヴェネツィアの人》(画像なし)
肖像画家として有名だが、この絵は当時水道の普及で時代遅れとなった水売り女を描いている。片手で重いバケツを持ち上げた時の重心の取り方、水が染みた井戸周りの石、そういった描き方が上手い。
ジョン・シンガー・サージェント《コルフ島のオレンジの木々》
光溢れる木々や海面、そして空。こんな絵も描くのね。
藤島武二《ティヴォリ、ヴィラ・デステの池》
日本人画家の中で、色遣い、筆捌きが「最も印象派」だと感じたのが藤島武二。ホイッスラーのように情緒的。画像よりも遥かに深い味わい。
4 アメリカの印象派
ジョセフ・H・グリーンウッド《りんご園》
明るく穏やかなアメリカの田舎。りんごの花は可愛くて好き。フランスの印象派画家が近代的なものをモチーフにしたのに対し、アメリカの印象派画家は穏やかな田園風景おを好んだ。
画像はないが《雪どけ》は雪積もる川岸に当たる日差しの色が暖かくて春の兆しを幸せに感じる作品。
チャイルド・ハッサム《コロンバス大通り、雨の日》
これもまたアメリカらしい光景なのかも。雨に濡れた舗道、遠くに霞むビル、ピントは馬車だけに合っているのがまるでスナップ写真のよう。ソール・ライターはのちの時代の写真家だが、通じるものを感じる。
エドマンド・チャールズ・ターベル《ヴェネツィアン・ブラインド》
「ターべライト」という信奉者がいるほどの人気画家。光と色彩を重視しながら伝統的造形と細部の描写に力をいれるボストン印象派に影響を与えた。
ブラインドから入る強い光と影が印象的だ。
5まだ見ぬ景色を求めて
マックス・スレーフォークト《自画像、ゴードラムシュタインの庭にて》
ベルリンで印象派を広めた画家。
ブルース・クレイン《11月の風景》(画像なし)
抑制された色調で描かれ、静謐で、しかも憂いを感じる。
19世紀末から20世紀初にかけて、アメリカの風景画では、ハドソン=リヴァー派からトーナリズムという様式が生まれた。「霧、影、柔和な光で覆われた自然景を茶、灰、青などのくすんだ色彩を用いながら、静謐な自然景の中に主観的な内省世界を投影した象徴主義的な絵画」の流れである。
ジョージ・イネス《森の池》
アメリカ風景画の父と言われる。晩年の作品は神秘的。
フランク・ウェストン・ベンソン《ナタリー》
戸外で製作されたという。飾りっけがなく、まっすぐな眼差し。自立した、いかにもアメリカ西部開拓の女性。
デヴィット・パーシャル《ハーミット・クリーク・キャニオン》
1901年鉄道が敷かれて人々がグランド・キャニオンを訪れるようになる。雄大な景色を淡い色彩を使って太陽光の眩さを描く。作品も大きい。
4月7日まで
写真撮影は不可だが、記念写真スポットがある
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