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2023年07月30日08:53

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風林火山伝 第2部 第49話 信長の遺骨探し その3

石田佐吉、松永久秀、日承証人は、織田信長の遺骨の手がかりをつかむべく、大きな穴の底の下に隠された空洞の部屋に降りたのであった。そして、日承証人は隠し部屋の全貌を掴むべく松明を照らしたのであった。すると、その隠し部屋のそれぞれの四方にさらに洞窟があり、それぞれの洞窟の入口は布に描かれた絵が洞窟の入口をふさいでいたのだった。

久秀は驚きながら言った。「洞窟の入口をふさぐ布に描かれているこれらの絵は、一体、誰が描いたのじゃ。一体、何を意味するのじゃ。よく見ると武士が公家に従う絵、昆布の絵、地上の下、まさにこの隠し部屋の絵、雨が空から降っている絵がそれぞれの入口の布に描かれている。一体なんだか訳が分からん。」

3人はずっとこれらの絵が何を意味するのかずっと考えこんでいた。
そんな中、再び、佐吉はある場所だけ、まわりの土とは色の違う茶褐色をした真砂土のある場所を見つけ、佐吉はそこに何が手掛かりがあると思い、その真砂土のある部分を掘り出したのであった。そして、佐吉は少し掘ったところに書状が埋められているのを発見したのであった。

「久秀様、ここに書状があります。この書状はこれらの絵が意味する謎をとく手がかりになるのではありませんか?」と佐吉が言った。
「何と書いてあるのじゃ!」
「その書状には『信長の遺骨を探す者よ!それぞれの絵に意味がある。文武を重んじ家臣を大切にせよ、信長の意志を継げ、天子様を敬え、その道を選んだら明かりが見えるであろう。紀長』と書かれています。」
「紀長とは誰じゃ!その書状を読んで何か手がかりがつかめたか?佐吉!」
「久秀様はどう思われますか?」
「うん、そうだな。4つの絵のうちどれかの入口一つが信長の遺骨のありかの手がかりになる道に通じてあるのであろう。おそらく天子様を敬えと書いてあるから武士が公家に従う絵がそうではないのか?加えて、紀長とは、おそらく、藤原家のゆかりのもので公家により書かれた書状であろう。」と久秀が言った。
「いや、信長の意志を継げという言葉が気になりまする。信長の意志は公家の配下になることでございますか?おそらく信長の意志は、天下統一し、公家をも支配する世にする
ことでございましょう。文武を重んじ家臣を大切にせよという最初の言葉が気になりまする。昆布の絵でありましょう。昆布は栄養があり、頭の回転をよくする成分が含まれています。昆布の絵には学問を重んじよという暗示が秘められているのでしょう。あとこの書状は信長のゆかりのあるものにより書かれたのでしょう。」と日承証人が言った。
「佐吉はどう思う。」と久秀は言った。
「おそらく、久秀様、日承証人様の選んだ入口の絵は否でございましょう。この書状を書いたのは日承証人の言う通りおそらく信長とゆかりのあるものでごさいましょう。」と佐吉は言い、佐吉は、武士が公家に従う絵の入口の方向に向かって石を投げたのであった。

すると洞窟の奥の方で大きな爆発が起こったのであった。そこには道三製の油がまかれており、爆発による火の手が3人のいる隠し部屋にせまってきたのであった。残された洞窟の入口は3つ。おそらく残り2つの入口にも何か罠が仕掛けられているようであった。しかし、佐吉はすでにその書状より答を得た様子で、目をぎらぎらしながら自信げな表情をしていたのであった。
  
                                    つづく

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