mixiユーザー(id:6354345)

2022年04月10日07:09

68 view

風林火山第92話 信長の敗れる

織田信長、目掛けて落とされた雷が信長に直撃する寸前、武田信玄は今川義元の霊の意志に反し、とっさに信長に目掛けて突進した。そして信玄も信長とともに雷の直撃を受けたかに思われた。その後、雷は地面に落ち、雷が落ちた後、その威力で煙が舞い上がり、その煙は周囲を覆いつくし、しばしの間、信玄、信長がどうなったのか確認することができなかった。

しばらくして、煙は消え去り、信玄の姿が現れ、信玄は風林火山の軍配を右手に持ち、
軍配を天に突きさし、「織田信長討ち取ったり!」と勝鬨をあげた。信玄は義元の力を借りず、雷の落雷の危険を冒してでも、自らの手で信長を討ち取りたかったのであった。
そして、義元の霊は信長は信玄によって討ち取られたと確信した。

「信長よ!わしの手でお主を亡き者にすることはできなかったが、これでわしの恨みは消えた。またあの世で会おう。あの世では、再び、お主と正々堂々と勝負することを楽しみにしておるぞ。信玄よ!お主の勇猛ぶりには恐れ入った。かなうなら、わしの手で信長を葬り去りたかったが、お主の手でなんとしても信長を討ち取ろうという気力に感服した。今後のお主の活躍を楽しみにしておるぞ。お主の寿命もあと数年かと推測する。天命をまっとうしたら、あの世でのお主の土産話楽しみにしている。」といいながら義元の霊は成仏し、どこかへ消えていったのであった。

しかし、その後、よく見てみると、あたりには信長の遺体はどこにも見当たらなかったのであった。信玄はおそらく、雷の凄まじい威力で遺体は骨もろとも木端微塵となり、跡形もなく消えてしまったと信じていた。そこに残っていたのはひとつの小さな金の仏像
だけで、それは本能寺の金の仏像であった。また、雷の落ちた地面には大きな穴が開いていたのであった。

果たしての信長は信玄により討ち取られ、信長の遺体は本当に木端微塵になってなくなってしまったのであろうか?それとも大きな穴には秘密の抜け穴があり、どこかで生き延びているのだろうか?また、そこに残されていた本能寺の金の仏像と信長と何の関係があったのであろうか?信長は謎を残しながら消え去ったのであった。

その後、信長軍は信長が信玄により討ち取られたと信じ、織田の残存兵は伊勢長島に向けて撤退したのであった。

一方、伊勢長島で養生中の羽柴秀吉はいまだ危篤状態にあり明の漢方薬 曼荼羅茶をもとめ堺に行った夜叉若(のちの加藤清正)、市松(のちの福島正則)の帰りをおねは待ち続けていたのであった。

武田信玄は本隊とともに京の都に戻り、足利義昭に織田信長を討ち取り、織田軍に勝利したことを報告し、長政、義景を交え義昭と織田の旧所領などの分配などについての評定を
行ったのであった。

一方、石川数正の謀反により遠州灘へ消え去った徳川家康は、相模にたどりつき、北条氏政の家臣となり、北条家に仕えていたのであった。

また、越後の上杉謙信は、ようやく越中の一向宗と和議を結び、一向一揆の脅威から逃れたのであった。


                          元亀4年(1573年)3月9日
                                 第一部 完




1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年04月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930