『今ひとたびの』1947年公開、�盡�順原作、植草圭之助脚本、五所平之助監督、�睚�三枝子、龍崎一郎、田中春男、ら。
戦後の東京・神宮外苑の絵画館前。絵画館前には何度も足を運んでいますが、「絵画館前」と聞くと、私なんぞは、力道山がグレート・アントニオ(クロアチア・ザグレブ出身だったとは！？)に観光バスをロープで引かせた場所が浮かんでしまいます。さて脱線話は横に置き、貧困に苦しむ人々の力になりたいと左翼運動に傾倒し月島の無料診療所で医師として働く野上(龍崎一郎)はブルジョア令嬢・暁子(高峰三枝子)と知り合ったものの召集されてしまいますが、戦後に復員した野上が絵画館前で待ち続けているのが、まさにその暁子であり、「毎週日曜日の10:00、いつもここで待っているから」という言葉を信じてやって来た律儀さよ。
暁子と結ばれない事に失望した野上が心気一転し山間の診療所に勤務地を移していましたが、何度も映像挿入される診療所隣接のダムと瀑布は他の作品でも記憶あり、です。どの作品だったのか、、、ブルジョアの暁子には嘗て許婚がいましたが、バーのマダムを経た後、心を入れ替えサナトリウムで献身し続ける奉仕の人間と生まれ変わっていました。幅広い女性像を演じ続ける�睚�三枝子の器用さが素晴らしく。
1946年10月の東宝争議がなければ本作品のヒロインは原節子で予定されていた、との事。
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