『小津安二郎大全』朝日新聞出版2019年3月、松浦莞二&宮本明子。数ある小津評の中でも本書における四方田犬彦の論調が記憶に新しいです。小津安二郎を研究し論文も本も書いて小津安二郎を理解したつもりだったが、ここに来てまた小津安二郎の事が分からなくな
『にごりえ』1953年11月公開、樋口一葉原作、今井正監督、丹阿弥谷津子、久我美子、淡島千景、ら。オムニバスはあまり積極的に手を取りたくはないのですが、このオムニバス三部作DVDを借りて来たのは、今読んでいる「小津安二郎大全」の中で、淡島千景に対し
『散り行く花(Broken Blossoms)』米国1919年公開、トーマス・バーク原作D・W・グリフィス監督、リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス、ドナルド・クリスプ、ら。ロンドンを舞台に、ボクサーである愛情通わない義理の父に殺された少女ルーシー(リリア
『噂の娘』1935年、成瀬巳喜男監督、千葉早智子、梅園龍子、藤原釜足、ら。一人の男を異母姉妹が奪い合おうか、という恐ろしい話です。見合い相手を性格が姉(千葉早智子)とは正反対の妹(梅園龍子)に取られてしまっては立つ瀬がありません。「奪い合う」状態で
ハンガリー動乱について2018年9月に現地取材され、先月にテレビで解説報道された池上彰番組DVDを観ました。既に知っている内容も沢山ありましたが、改めて認識させられる内容もあり、よい意味で復習材料の一つとなりました。悲しくても覚えておこう、と造られ
『豚と薔薇』司馬遼太郎著、1962年 角川書店出版『古寺炎上』における併録。1960年の週刊文春に連載されていたとか。『古寺炎上』に次ぐ司馬遼太郎の推理小説。御本人が読まれたくないのを無理矢理ほじくりだして読んでいる感もありますが、御自身の新聞記者
『愛と死をみつめて』1964年公開、斎藤武市監督、吉永小百合、浜田光夫、初井言栄、原恵子、笠智衆、北林谷栄、笠置シヅ子、ミヤコ蝶々、宇野重吉、ら。昔、テレビドラマでは観ていて主題歌もよく記憶に残っています。自殺を仄めかした吉永小百合を諌める宇野
『結婚の夜(The Wedding Night)』米国1935年、King Vidor監督、Gary Cooper 、Anna Sten、Otto Yamaoka、ら。ゲイリー・クーパーが脚立に乗って作業するシーンは『晩春(1949年)』における電気屋さん、アンナ・ステンが階段から落ちるシーンは『風の中の牝雛(1
『古寺(こじ)炎上 』司馬遼太郎著、角川小説新書 昭和37年10月15日発行。司馬遼太郎自身が失敗作、と認めている、らしい、本著は『豚と薔薇』との二作建てになっています。一般の書店や図書館には置かれてはおらず、都立図書館から取り寄せ館内閲覧させて頂い
『小津安二郎サイレント映画の美学』滝浪佑紀著、2019年 慶應義塾大学出版会。古石場文化センターで連続講義された滝浪佑紀さんによるアカデミックな内容。116年前の今日に産声をあげ、56年前の今日に息を引き取った小津安二郎を引きも切らずに研究する人が国
『地上』鎌倉川喜多映画記念館にて。1957年11月公開、島田清次郎原作、藤兼人脚色、吉村公三郎監督、田中絹代、川口浩、野添ひとみ、佐分利信、香川京子、三宅邦子、川崎敬三、ら。島田清次郎出身の金沢、加賀百万石が冒頭に紹介されています。大正中期の金沢
『路傍の石』1960年5月公開版、鎌倉川喜多映画記念館にて。山本有三原作、新藤兼人脚色、久松静児監督、原節子、太田博之、三橋達也、山茶花究、森繁久彌、ら。まだ観ぬ原節子をどうしても観たく鎌倉まで駆け付けました。鼻息荒く、原節子、極端に言えば原節
『女人哀愁』1937年公開、成瀬巳喜男監督、入江たか子、伊東薫、堤真佐子、御橋公、初瀬浪子、佐伯秀男、北沢彪、ら。神保町シアターにて。金持ちの家に嫁いだ嫁を、演じる入江たか子、この頃は輝くような美しさです。同年に公開された原節子主演『新しき土』
久し振りに乃木坂の国立新美術館へ。展示会オープニングとトークイベント。絵画と彫刻の130点、見応えがありましたし、薄っぺらだったハンガリー史知識についても少しだけですが捕捉する事が出来ました。13世紀にはVisegradeに、18世紀にはPozsonyという現ス
『テレジンの子どもたちから〜ナチスに隠れて出された雑誌「VEDEM」より』林幸子編著、新評論社2000年発行。テレジンという地名は近代史に触れる中で時折 耳にはしていましたが、これまで自ら調べるには至りませんでした。チェコ語:でTerezín、ドイツ語