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2021年05月10日20:46

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愛なき女

『愛なき女(Una mujer sin amor)』メヒコ1952年公開、モーパッサン「ピエールとジャン」原作、ルイス・ブニュエル監督、Rosario Granados、Joaquín Cordero、Tito Junco、Julio Villarreal、ら。
子は鎹であり自らの愛情を圧し殺して家庭を守ろうとした母親、そして父親違いの兄弟という事実を知ってしまった兄による弟と母親への憎悪。それらを乗り越えてハッピーエンディングとした100分弱の本作品、テンポが早過ぎて勿体ないと思います。貧しかった両親の友達Carlos(Joaquín Cordero)と半ば買われるような形で結婚したが為に自分の人生を犠牲にしながら生活を続けざるを得なかったロザリオ(Rosario Granados)。行方不明となった息子を保護してくれたJulio Mistral(Tito Junco)にと恋愛、Miguel(Xavier Loyá)を授かりますが、知らぬは旦那ばかりか。泣く泣く別れた最愛のJulioが数年後にブラジルで亡くなったとの報が代理人からもたらされ、遺産が弟Miguelに全て渡った事から兄が疑い始め、立派な医者となった二人兄弟に大きな亀裂が。愛なき結婚はドラマを引き起こすという典型、駆け落ちを持ち掛けられて自らの恋愛に突っ走るのか、子供を優先させるのか、どの国であっても後者が多いのだと思いますが。ブニュエル自身がワーストと語ったとされる20日間で撮り上げた家族の愛憎劇。仲良かった兄弟が醜く争う姿を見かねた母親が息子達に対して決然と自らの過去を明かし始めるシーンに緊張しました。ここはもっと時間を掛けて描いて欲しかったですが。
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