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2021年02月21日07:33

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風林火山伝 第17話 義元の亡霊

元亀3年(1572年)2月18日、約3千の兵を率いて野田城を出陣した武田信玄は、武田信廉の姿を装いながら岡崎城を経て、桶狭間に差し掛かった。そこには、数日前に起こった第2次桶狭間の合戦で、忍者くの一らによる居眠り玉により、居眠りに陥り、武田軍に武器を取られ、行き場を失っていた元羽柴秀吉軍の数十の兵が飢えに倒れ、助けを求めていた。

信玄は、飢えに倒れていた兵士たちを十分な食をあたえ救助し、武田軍として受け入れたのだった。その他の居眠りで元羽柴軍から取り残された大半の兵士は、影武者 武田信廉の率いる本隊に召し抱えられたが、その他の兵士は、自害したのだった。

信玄は、永禄3年(1560年)に桶狭間の戦いで、この世を去った今川義元のことを思い出さずにはいられなかった。義元を織田信長に討ち取らせるよう仕組んだ黒幕の信玄であったが、京へ上洛の夢が果たせなかった義元の無念を思い、しばらく軍勢をとめ、義元の冥福を祈ったであった。すると突然、西の方から白い光の玉が、信玄に向かって迫ってきたのであった。そして、白い光の玉は信玄のすぐ前で宙に浮いたまま止まったのであった。

その白い光の玉は、亡き義元の姿に変わったのだった。京の上洛の夢を果たせず成仏できずこの世をさまよっていた義元の亡霊であった。義元の亡霊を見た信玄は、うろたえることなく義元に、「織田信長と密約を結び、信長の奇襲により義元を討ちとらせるように仕組んだのはこの信玄である。この信玄を恨むのであれば、このわしを討ちとるがよい。」と堂々と言ったのであった。すると義元の亡霊は怒りだしたのか、義元の亡霊のまわりにいくつかの炎の玉が現れたのであった。

                                     つづく




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