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2020年08月17日18:54

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安宅家の人々

『安宅(あたか)家の人々』1952年公開、吉屋信子原作、水木洋子脚本、久松静児監督、田中絹代、船越英二、乙羽信子、三橋達也、三條美紀、ら。
「お母さんは死んだけど天国で僕らを見守ってくれているんだ」と言った知的障害ある義兄役の船越英二に対して、「天国なんてありませんわ」と傷付けるような反応をした乙羽信子の台詞に驚いてしまいました。船越英二に対して終始優しかった乙羽信子の口からあんなストレートで厳しい台詞が出るなんて。迫真の演技で惹き付けた船越英二、義妹への恋慕で頭が一杯になったまま飼い犬と外出し、これまで注意していたはずの崖から落ちて命を落とします。船越英二の迫真さを数段上回っていたのが主役の田中絹代です。財産目当てに結婚したと揶揄されながら、ここ迄に追い込まれた妻として、経営者としての運命の過酷さに悶え苦しむ姿、これだけの円熟味を表現出来る千両役者、田中絹代の代役を探すのはちょっと難しそうです。風呂場で背中を洗ってあげている船越英二の口から出た思いがけない?言葉に桶を落としてわなわなと震える場面、船越英二葬儀の後で義妹である乙羽信子に嫉妬心を超越した心の奥を打ち明ける場面、、等 未だ観ぬ田中絹代に出会う毎に田中絹代の偉大さを思い知らされています。個人対個人の付き合いも一定の距離を保つべき、と言われたりしますが、親族同士であってもそうあるべきだ、と乙羽信子に対して主張した田中絹代、それを「家族の中で38度線なんて」といなした三橋達也の人間らしくも馬鹿野郎ぶり、これも際立っていました。ところで四人で京都へ行くシーンがありますが、その直前はどこでロケしたのでしょうか? 皇居? 松本城?
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