mixiユーザー(id:20839049)

2020年04月06日20:11

218 view

彼女の發言

『彼女の發言』1946年、池田忠雄脚本、野村浩将監督、田中絹代、佐分利信、水の江滝子(旧 三浦ウメ子)、岡村文子、ら。
女社長役の岡村文子が抱える三人娘、田中絹代、水の江滝子、星美千子の物語。長女 田中絹代と佐分利信の間には心通う会話もなく、事務的な伝達だけが往復する、どこかにいる覚めた夫婦の典型。"吉祥寺の若奥様"と呼ばれる次女役の水の江滝子は夫婦喧嘩して実家へ。こんな姉二人を見ている三女役の星美千子は「男なんか大嫌い」と言いながら目の前の結婚話に二の足を踏んでいるところ。こんな中、ちょっとした事で佐分利信の直向きさを見直した長女の田中絹代が歩み寄って仲直り。そんな二人を見守っていた次女 水の江滝子が初めて夫に対して女性らしい感情を持つように。姉の女性らしさを目の当たりにした妹が自らの母性本能を擽られる、という、ハスキーで男勝りの水の江滝子が魅せたクライマックスシーンでした。田中絹代と佐分利信の歩み寄りは演技力優れた二人だけあって心一層ほのぼのさせられましたが、何よりも水の江滝子が柔軟化していく様子が一番でしたし、こんな姉二人を見詰めていた星美千子も結婚への意思を固め始めてのハッピーエンド映画です。女性本来の優しさに目覚めた、というか、浪花節的に懐柔された、と見るべきでしょうか、、、? 子役の中島由子も初々しい台詞でとても好感、女中役の松尾千鶴子と高松栄子もそれぞれの素振りを楽しませてくれました。ところで水の江瀧子は、あの三浦和義の叔母
だったんですね。だから、、、?芸能界引退→隠居→宝飾作家→生前葬、、だとか。もっと活躍して欲しかったです。佐分利信の台詞「軍国主義的なおもちゃを子供に与えていたからこんな結果になった、、子供はこれからの日本を担い、平和の使いとなるべき、、」に1946年らしいタイミングを感じました。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年04月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930