コロナウイルスが猛威を振るう中、20日から開館再開を発表したbunkamuraザ・ミュージアム。夫が休みに入ったら即行こうと決めていた。しかし25日に小池都知事が東京はオーバーシュートの重大局面にあると会見、今週末の外出自粛要請を出した。
迷ったが、また休館になるかもしれない。買い溜めで混み合うスーパーよりはるかに空いているだろうと26日出かけた。電車は空いている。混雑が怖い渋谷駅にはいかず、神泉駅で下車して歩く。案外近い。通りはランチに出かかるビジネスマンくらいだ。私は家で昼食を済ませ、飲食店には行かないことにする。美術館もガラガラ。スーツを着た中年男性がポツポツいるのは、在宅勤務を命じられて帰る途中か。
ありのままを描くことを基本にそれ以上のものを描く、ある意味求道者的高邁な精神を持ってした超写実の魅力を私に教えてくれたのは、磯江毅の展覧会だったか。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1753944779&owner_id=2083345
そして、マイミクさくら☆さんと共にバスツアーで念願のホキ美術館を訪れたのは2016年10月。今回の展覧会は、このホキ美術館所蔵の代表的作品(作家数28名)を紹介する展覧会なので、この日記を読んでいただければ、それで十分かもしれません。
よかったらぜひ。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1956162990&owner_id=2083345
というわけで、今回の日記では、作家28名全ての展示作品を1〜3点ずつ紹介したいと思います。超写実と言っても描き方も伝えたいことも様々。比較してみると面白いです。
ちなみにホキ美術館は昨年10月の水害を受けて現在休館中。天災と疫病の余波を受けて素晴らしき文化を十分に享受できないのはとても残念な事。1日も早い復帰を願うとともに関係者の方々の労を労いたいと思います。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_choshajitsu/
現在、ブームとも言える盛り上がりをみせる写実絵画。
1年に数点しか描くことができないほど作家が時間をかけて向き合い、丁寧に描かれた作品には、それぞれの画家が表現したい想いが込められ、ただ細密に描かれているだけでなく、写真や映像とは違った存在感を醸し出します。
本展では“写実絵画の殿堂”と呼ばれるホキ美術館が所蔵する、現在の写実絵画を代表する作家たちの作品を紹介します。
個性豊かな凄腕の作家たちによるバラエティに富んだ作品で写実絵画の醍醐味をお楽しみください。
森本草介《未来》
森本草介《田園》
人物画3点、風景画2点ありました。ややセピアがかった暖かい色合いの優しい絵。筆跡を残さず、まさに超写実。それぞれが持つ質感に驚き入ります。
青木敏郎《レモンのコンフィチュール、芍薬、染付けと白磁の焼き物》
青木敏郎《ブロバンスの農家》
静物画2点と風景画1点
こちらも超写実だが、近づいてみると筆跡が残っていたり、極小の点がプツプツ描き加えられてあったり。1m離れるとあら不思議、本物に見えるマジック。
中山忠彦《壁掛けのある部屋》
こちらはもっと荒いタッチ。アカデミーの肖像画のよう
羽田裕《初秋のサンマリノ》
風景画2点
野田弘志《聖なるものTHE-�検�
全部で5点。近年平成天皇皇后さまの肖像画を描いたことでも話題になった画家。
この《聖なるものTHE-�検佞呂箸討眤腓�な作品。自分が小さくなって巣を覗き込んだような気持ちになる。生命はなんと神聖…。
生島浩《5:55》
フェルメールの《天文学者》を彷彿とさせる《card》と2点
この人の作品は本当に美しい。モデルのお嬢さんはあと5分で仕事終了を内心心待ちにしている。その心情を描いたという。
磯江毅《ESPANTAPAJAROS》
全部で3点。驚かすという意味のタイトルだが、カカシという意味もある。鳥除けに鳥の死骸を吊るしておくのだが、ワイヤーの影といい、フワフワの羽といい、まるでトロンプルイユ(騙し絵)のよう。
石黒賢一郎《存在の在処》
教師だった父を描く。藁半紙の掲示やチョークの文字、まるで本物。どうやって描いたのとマジマジとみる
石黒賢一郎《綾◯〇〇的な》
もう1点と対。全部で4点。アニメキャラをさせた少女だが、彼の絵は理想化されていないので好きだ。
五味文彦《UTSUSEMI》
全部で6点。森の老木、果物、レース、花、グラス、なんでも描けるすごい作家だ。たくさん見ても、印象に残る1点1点。コラージュしたようなこんな抽象的絵画も好き。
島村信之《レッスン》
島浦信之《オオコノハムシ〜擬態〜》
全部で6点。《レッスン》《藤寝椅子》は可愛らしかったり、美しかったりした一瞬を捉えた叙情的な作品なのに、一方では甲殻類や昆虫を描く。《幻想ロブスター》は大きすぎてホキ美術館でも驚いた記憶が。
大矢英雄《夏至を待つ日》
油彩が多い中で、テンペラ画。
小尾修《Kay》
全部で4点
大畑稔浩《瀬戸内海風景ー川尻港》
全部で3点。逆光が美しい。他の2点も森の空気や音が聞こえる感じ。
原雅幸《マナーハウス》
原雅幸《ドイル家のメールボックス》
風景画4点。いずれも美しい。マナーハウスの雪と光が特にいい。
安彦文平《自然への感謝》
2点。あまり好きになれなかった作風
冨所龍人《窓辺》
バルテュスの少女のような挑戦的なポーズ。現代的な顔の少女や示唆的な小物が面白い。
諏訪敦《玉顔(大野慶人立像)》
舞踏家大野一雄の次男の肖像。ホキでは確か、父の遺体を描いた絵が衝撃的だった。
藤原秀一《萩と猫》
全部で3点。クッキーという飼い猫。ミュージアムショップでは、アイシングクッキーになって売っていた(笑)
塩谷亮《光韻》
2点。日曜美術館で岸田劉生を特集していたときに、麗子像を検証するためにリアル麗子像を描いた画家。
廣戸絵美《階段》
松田一総《無題》
渡抜亮《二つの動作》
藤田貴也《EIKO-01》
三重野慶《信じてる》
2016年ホキ大賞特別賞受賞
山本大貴《Quiet Night》
クラシカルな題材で売れ筋の作家らしいが…
松村卓志《白い犬》
初めて飼った犬を描く
鶴友那《ながれとどまりうずまききえる》
第2回ホキ美術館大賞展大賞。オフィーリアを思い出させる大作。他1点。
小木曽誠《森へ還る》
これだけ写真撮影可。
最後の展示室は70年代80年代生まれの若い作家さん。今の人は本当に技術的に上手だなと思う反面、彩度が高すぎたり、ありきたりだったりして少し食傷気味。
写実絵画とは何?キャプションにあったように「描く行為を通して得たもの」がなければ意味がないのだろうし、写真のように(またはそれ以上に)本物みたいだと感心しただけではやはり残らない。
また時をおいてたくさん見てみたい。
5月11日まで
ただし、休館もあり。
こんな時期に美術館へ行くなんて、と批判を受けるかもしれないので、とりあえず美術展がお好きなマイミクさんだけに公開します。
ログインしてコメントを確認・投稿する