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2016年10月16日11:36

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10/13 心ゆさぶる写実絵画〜今を生きる日本の作家たち〜@ホキ美術館

ホキ美術館とDIC川村記念美術館をめぐる日帰りバスツアーに参加しました。
その様子はこちらの日記で(友人のみの限定公開となっています)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1956131498&owner_id=2083345

ここでは、ホキ美術館の企画展および常設展の感想記を書く事にします。

ホキ美術館
http://www.hoki-museum.jp/index.html
フォト
5月19日〜11月13日の企画展は「心ゆさぶる写実絵画」です。

http://www.hoki-museum.jp/exhibition/index.html

日本で活躍する30代から80代までの写実作家たち。本展では、ホキ美術館の400点を越える所蔵作品の中から27作家による、心ゆさぶる写実の名品を一堂に会します。
写実絵画は1枚の作品を完成するのに3カ月から長いものでは1年もの歳月を要します。
作家が心ゆさぶられ、長い間向き合った対象。その制作過程で見えてきたものとは?是非、間近にご覧になって、心に残る作品をみつけてみませんか。
ここでは、作家の年代毎に作品をご紹介いたします。

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美しいカーブを描く長い回廊に展示された作品は、どれも思っていた以上に大きくて、そして気が遠くなるほどに細密、手に取れるような質感を描き分けていて、ため息ばかりが出ました。
ほとんどがガラスケースに入っておらず、間近で見る事が出来るうえ、異なる色温度のLED電球で自然に再現、ストレスフリーで鑑賞出来ました。
顔を近づけてみると、なるほど絵具で描いた事が分かるのですが、ちょっと離れてみるととてもそうとは見えません。かといって写真とはまた違う感じ、これが超写実なんですね。

17世紀の静物画は光の効果や質感を描き出す事が画家の技量の見せどころだったわけですが、それを踏襲しているのでしょう。ただ、フランドル絵画の「これでもか」的な見せつけはなく、同じ静物でも、これは日本人の感覚なのでしょうか、光の回りが優しくて、控えめに飾られた陶磁器やガラス、レース、花、本といった類いが、全て愛おしいもの、大切なもの、愛着あるものとして描かれている感じがします。
青木敏郎氏や五味文彦氏の静物画は本当に素敵でした。
フォト フォト

風景画は外国の町並みを俯瞰したような作品(これも又大作!)が多かったけれど、特に印象に残ったのは、石黒賢一郎氏の北海道の廃坑を描いた風景。ガランとした廃坑に打ち捨てられた壊れたトロッコが、かつて大勢の坑夫が汗水垂らして働いていたさまを夢語りしているようで、哀愁が漂っていました。同じく石黒賢一郎氏の、外国風景の画はセピア色で描かれていて、顔を近づけて見ても、キャンバスの目地も筆跡も分からず、まるで昔の写真のように美しかったです。

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人物画は保木初代館長がコレクション1号にした森本草介氏の作品が、企画展示室とは別に1室常設されていて量共に充実でした。薄茶色の柔らかな色調が特徴で、女性は俯いていたり横顔だったり後ろ向きだったり、顔を全部見せていません。柔らかで透けた生地のドレスの質感やベルベッドのクッションの縫い合わせ部分やネッスレスの留め具の光の反射や、近づいて見れば見るほどその精緻さにため息が出るし、下がって絵全体を見てもその詩的な余韻にうっとりです。もちろん、垂らした髪、バレッタで無造作に留めた髪の表現は特別、真骨頂でしょう。
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生島浩氏の「5:55」(上写真右)は、以前「ぶらぶら博物館・美術館」で本人がエピソードを紹介していましたが、女性の心情が伝わって来るようで、6時5分前の柔らかな西日が静かなドラマを生んでいます。実際に見られて嬉しかった!超写実絵画の良し悪しはいかに光を味方につけるか、光をどう捉えて表現するかにかかって来ますね。
野田弘志氏の「崇高なるもの」という5点のシリーズもまた人物画なのですが、こちらは巨大で、一人の人物を正面から全身描いたもの。モデルは父?母?と思われる年配者や保木初代館長、少女です。特に少女の、少女故の微妙な表情が気にいりました。「人」というモノの存在感を改めて感じ入ります。

小尾修氏の床の木目、石黒賢一郎氏の黒板に書かれたチョークの文字、五味文彦氏のコラージュは、どう見ても絵に描いたものには見えなかったです。すごい!1枚描くのに数ヶ月から1年かかるというのは納得ですが、その集中力の持続は凡人の想像の域を越えています。

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回廊式の展示室は全部で9ありますが、ギャラリー8だけが暗闇の部屋になっていました。LEDの天井はまるで天の川のよう。幻想的です。ここは、ホキ美術館が14人の作家に「私の代表作」というテーマで制作を依頼した100号以上の代表作が展示されています。
オブジェのようなスツールに腰掛け、一人ひとつの作品と向き合いながら作家の声に耳を傾け鑑賞する事が出来るようになっています。この1部屋だけでも1時間はかけられるでしょう。
まずは、石黒賢一郎氏の廃墟の絵にプロジェクションマッピングがコラボした作品に度肝を抜かれます。島村伸之氏の巨大ロブスター、そして野田弘志氏の鳥の巣などは圧倒の力強さ。そこには、超写実という単なる技術ではない、心の底に響くものがありました。生命の強さ、再生、反復、永続性・・・
そういえば、ギャラリー9には、私がはじめて超写実の絵を見た磯江毅氏の作品が2点。ずっと前に練馬美術館に個展を観に行った時の事を思い出します。超写実絵画とのはじめての出会いでした。
こちらの日記(みんなの日記)。是非読んで下さい。
↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1753944779&owner_id=2083345

バスツアーはこの後川村記念美術館へ行ってランチ、鑑賞となるので、ここでの時間は1時間45分ほど。もっともっと時間が欲しかったなぁ。また行きたいと思いました。

追記となりますが、ギャラリー5には陶磁器のコレクションが。そのうち板谷波山が半数。一息入れるにちょうど良く、しかも大好きな作家なので思わず歓声をあげてしまいました。
フォト柿の色も波山色です。

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