mixiユーザー(id:806141)

2020年03月21日02:17

64 view

ざらざらした手触りの

「全世界が、ある、怖ろしい、見たこともない疫病の生贄となる運命にあった。
 疫病は、アジアの奥地からヨーロッパへ広がっていった。

 ごく少数の選ばれた人々をのぞいて、誰もが死ななければならなかった。
 出現したのは新しい寄生虫の一種で、人体にとりつく顕微鏡レベルの微生物だった。
 しかもこの微生物は、知恵と意志をさずかった霊的な存在だった。

 この疫病にかかった人々は、たちまち悪魔に憑かれたように気を狂わせていった。
 そしてそれに感染した者たちは、病気にかかる前には
 およそ考えられもしなかった強烈な自信をもって、自分はきわめて賢く、
 自分の信念はぜったいに正しいと思い込むのだった。」
                (ドストエフスキー「罪と罰」)

悲しい夢。
他者との精神的断絶がもたらす不安、疑心暗鬼、恐怖、それは現代社会も例外なく当てはまる社会の描写であり、もしかしたらこれが人類の罪なのかもしれない。あるいは、人類に与えられた罰なのかもしれない。

---

10年前の読書ノートのメモ書き。付け加えることはない。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する