花嫁日記

『花嫁日記』調布たづくり、にて。1934年制作公開、山崎謙太脚本、渡辺邦男監督、市川春代、星玲子、杉狂児、神戸光、ら。
多摩川撮影所周辺に位置する当時の調布街並みを眺める事が嬉しいです。杉狂児と市川春代のひょうきん夫婦ぶり、夫婦と知らされずに杉狂児に近付く星玲子の素直さ、文字どおり神戸出身の泥棒役 神戸光も面白く。トーキー初期の67分作品としてはメリハリとユーモアで充分楽しませてくれます。主題歌「いつも陽気で」と「あなたのあたし」を引っ提げて聴かせてくれる特別出演の松平晃は隣の声楽家役ですが、松平晃という美顔の流行歌手、ってこの人だったのかああ、貴重な映像作品を観たお得感ありです。佐賀市の出身だそうで、「佐賀っぽ」という気質を前面に出していた、との事。「佐賀っぽ」って、どんな気質なんでしょうか、、、？ 一途な性格？ 市川春代への思いが叶わずに自殺未遂、伏見信子と婚約したが破棄となったり、慰問を続けながらも波乱万丈49年の生涯を閉じた松平晃は作曲家・福田和禾子の父親だそうで。貴重な昭和の一面を覗かされました。