東日本大震災で家族を亡くした幼い少女が広島の叔母のところで暮らしていて、高校生になった現在あるきっかけから生まれ故郷の岩手県を目指すことになり、旅の途中で様々な境遇の人たちと一期一会の出会いの末、亡くなった人と会話することが出来るという電話ボックスに辿り着く。
これはなかなか重たい映画だ。生き残ったからには生きなければならない、そのためには食え、という台詞が響く。
癒かけている傷口をもう一度開く必要はないだろう、と思っていたけど、でもこれは作らなければならなかった作品なのだろう。
英会話スクールの広告でよく見かける主演のモトーラ世里奈の薄幸そうな表情が印象的で、この子が繊細な演技を見せてくれる。滅茶苦茶上手ではないか。幻影の家族と戯れる時の至福の表情や家族への思いの丈を電話で伝えるところが素晴らしい。
見ることによって魂の浄化作用があるような映画だった。
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