悪党

南北朝時代、侍従の女から自分の配下の妻である美女の話を聞き横恋慕した権力者が自分になびかせようと手を尽くすがそうもいかず、やがて大いなる悲劇へと至ってしまう。
前半は他愛ない喜劇のようなストーリーで、兼好法師にラブレターを代筆させたりとそれなりに楽しいのであるが、そのうちに壮絶な話になっていく。
新藤兼人監督がギラギラとした人間の業の深さを見せる本格ドラマ。晩年の変てこりんな監督作からは想像もつかない濃厚な演出で見応えたっぷり。