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2019年12月18日12:50

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豚と薔薇

『豚と薔薇』司馬遼太郎著、1962年 角川書店出版『古寺炎上』における併録。1960年の週刊文春に連載されていたとか。『古寺炎上』に次ぐ司馬遼太郎の推理小説。御本人が読まれたくないのを無理矢理ほじくりだして読んでいる感もありますが、御自身の新聞記者経験から来る刑事との付き合い方が分かるような書きっぷりです。若き刑事に、自分の妻が新興宗教に入っているが自分は入らない、何故なら警察そのものが宗教であるべきだと思っていますから、となかなか憎い台詞を語らせています。不本意だったし量産発表するつもりのなかった作品との事ですが、事件を追う刑事と刑事を追う新聞記者の呼吸がよく伝わって来ますし、司馬遼太郎の大阪での記者時代を想像するに貴重な試作品だと思います。
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