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2019年06月13日08:46

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美女と野獣

『美女と野獣(La Belle et la Bête)』 フランス1946年、J・L・ド・ボーモン原作、ジャン・コクトー脚本&監督、ジョゼット・デイ、ジャン・マレー、ら。
『美女と野獣』についてはディズニーアニメや2017年度ビル コンドン版(エマ ワトソン主演)、また東京宝塚劇場の舞台でも観た記憶がありますが、原作がそれぞれの作品でどう脚色されて来たのかを探るのも一興です。1970年のジャック・ドゥミ作品『ロバと王女(Peau d'Âne)』で魅せられたファンタジーの世界を思い出しながら鑑賞する中で、1936年に来日したコクトーが観た尾上菊五郎「鏡獅子」からヒントを得て野獣メイクに生かしたという話に大変な興味をそそられました。野獣の花園から薔薇を摘んで死刑を宣告されたベル(ジョゼット・デイ)の父親を返して(帰して)貰うべく頼み込むベルに恋をした野獣、逆にベルに結婚を申し込み続けますがベルは拒みます。野獣はベルが一週間後に戻って来る事を条件に家族の元への一時帰宅(帰国)を許しますが、このパターンって、日本の小泉政権で結果的には祖国への帰還を果たした日本人拉致被害者を「一時帰国させてやる」と宣った北朝鮮と同じではないか、と腕組みしたのは私だけではないでしょう。一時帰宅したベルは父親の世話を優先させるべく、兄の友人アヴナン(ジャン・マレー、野獣と王子の三役を兼ねる)からの求婚を拒絶し、ベルを暖かく迎えるどころか物欲を剥き出しにした二人の姉はまるで物語『シンデレラ』の義姉二人を彷彿させました。このコクトー作品における『美女と野獣』では野獣の過去について詳細が描かれてはいませんが、2014年クリストフ・ガンズ版では詳細演出がなされているようですが、私は未だ観た記憶ないので必見だと思い直し、これ迄 何気無く見過ごして来た古典にもう少し入り込みたいと思わせてくれたコクトー作品でした。黒板への白墨筆記を繰り返すスターティングにおけるコクトーからのメッセージ「子供たちは大人の話を素直に信じ込みます、、、それでは例の呪文を! “開けゴマ” 昔々あるところに……」、あれが何とも素敵で純真な子供心になる事を許されました。さて予習はここまでで、今週末に市ヶ谷で予定されている「美女と野獣」お勉強会出席が楽しみです。

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