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2018年11月03日18:53

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笠井誠一展、独立展、二紀展

東京の練馬区立美術館で笠井誠一展を観てきた。(*)
(*)https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201806301530346711

静物画を描かれる方だが、一見写実のように見えて写実ではない、という微妙なところを狙って表現されてきた方なのだろう、というのが第一印象であった。

例えばテーブルを描くのに遠近法ではなく逆遠近法というのをあえて使う。テーブルの上からお皿とか果物とかがずり落ちそうに見えるところ、全くセーフ! なのだ。

何処ぞの画学生らしき青年二人が近くで観ていて、「あ、この絵、ほとんど俺の絵じゃないか」とか言ってはしゃいでいる。お〜い、そこの二人、たはやすくそんなことを言うなよ、と言おうかと思いましたがやめておきました。^ ^:

激しく心を揺さぶられるとかいう絵ではありませぬ。が、空間の認識、そこでの世界の構図の組み立てというようなことについて、知的な刺激を受けるところの多い作品群でした。

学芸員さんによる説明のパネルが簡にして要を得ていてよかった。説明書きの文字が大きくて読みやすかったのも非常によかった。(←老眼の者にとってはこの点はとても大切なんです。)

それと、ちょっと遅れての報告になりますが、先月の後半、国立新美術館で開催された独立展、二紀展を今年も観てきた。

独立展の世利さんはいよいよ青の世界に沈潜し、具体から抽象へ向かうのかというような作品であった。

二紀展の吉岡さん、佐藤さん、柏木さんの作品もそれぞれ印象に残った。柏木さんは摩訶不思議な「足」の絵で、おお、マジカル柏木の復活! と思ったのでした。

吉岡さんの一連の“平面化”の作風は笠井誠一さんもやっていたのだった。西欧の作家たちに太刀打ちできるようになるためにはこれしかない、と笠井さんは思われたらしい。


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