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日記一覧

忘れずにいよう
2016年12月31日05:15

この日記は主として短歌関係の話題を取り上げている。だからといって、世界全体について思うことを忘れているわけではない。2016年をふりかえって、例えばリオ五輪の話などは誰もがするだろう。しかし、この1年を記憶に刻むなら、例えば次のような投書が

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新聞歌壇より(87)
2016年12月30日07:52

胸の柘榴の割れたところに拳骨を入れられた 痛い、と言えなかった   市岡和恵…東京2016.10.2。柘榴の実の割れたるところ、エロチックにして、ああ、晒してしまっている、と感じる。それをそのまま歌の素材とした作品は時々見かけるが、市岡さん

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悼・河上素子さん
2016年12月29日22:17

さきほどフェイスブックのタイムラインを見ていて、河上素子さん(マイミクの素子さん)が、今日なくなられた由、おつれあいの方が書き込まれている記事があって、えっ!?と声を挙げてしまった。2011年10月、素子さんたち3人のライブを聴きに行って、

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1月号「短歌人」掲載歌
2016年12月26日20:08

       朝な日にええと、「ええと」は感嘆詞です。ええと、ええと、ええとつて僕は感嘆してます。「半分こ」の「こ」のあぢはひを五字以上十字以内で書きなさい、とぞ衣食住の用はなさねど朝な日(け)に売られ買はるる其を金(きん)といふレーニンは

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2016年12月号より。八十二歳の平幹二朗二時間出づつぱりに足取りせりふかなりかろやか   花鳥 佰…「平幹二朗」に「ヒラミキ」のルビがある。花鳥さんの7首の4首目。2首目〜4首目は最近上演された「クレシダ」(東京公演は今年の9月、最終日は

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朝日カルチャー横浜、小池光さんの短歌講座の次回の題は「柿」。詠草の締切は年明け後だが、年末年始の郵便事情を考慮して少し早目に出さなければ…、と考えていて、ふと思い出したのだが、かつて小池さんのブログ(現在は長期休暇[?]中)で柿ピーの食べ方

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*以下すべてmixi掲載稿からの抜粋(一部補正あり)です。印象に残った歌の記録(18)は今年の9月13日の日記(※)をごらんください。 (※)http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1955451418&owner_id=20556102硝子窓いちまい隔て群衆を見ており我は仙

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「うた新聞」掲載1首
2016年12月07日15:04

ゆるらかにせいよくを止むるわざありしよ、とおもひつつ春つつぽりと起く   斎藤 寛 〜「うた新聞」57号(2016.12)「読者自選一首」 [付記・1]上記の拙詠については今年の10月26日の日記のコメント欄でのM1号さんとのやりとりをご参照

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昨年末に急逝された田村よしてるさん(「短歌人」同人)の歌集(2016年12月28日、六花書林刊[非売品、限定200部])が野村裕心さんから送られてきた。野村さんは、「野村田村」と漫才コンビのように僕らは呼んでいたが、田村さんと良きコンビだっ

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『一握の砂』の広告
2016年12月01日06:54

2010年5月に日本現代詩歌文学館で開催された「『一握の砂』から100年―啄木の現在」というシンポジウムの記録を読んでいたら、啄木は版元が作った『一握の砂』の広告が気に入らず、若者にスポットが当てられていた明治新短歌を中年の人々に広めたいとい

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鶏そば
2016年11月29日06:51

       鶏そば       斎藤 寛ひとすぢのみづは昇りてふたすぢに落ちにけりその池の辺の冷ゆ野狐禅(やこぜん)の公案のごと反芻す虚子やりくれし「棒の如きもの」東司(とうす)にても食堂(じきだう)にても坐りてもわが背(せな)の辺のほの

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     「共同体」?今朝浴びし桶の真水のいくばくか雨とし降らむミクロネシアに朝九時に集ひ来(きた)れる天使たち金沢文庫天使幼稚園  卒然と「理想社会」を説き初(そ)めて二十歳のをとめ昂ぶりにけり「『共同体』? 臭ふんだよな」マル経の杉浦講

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2016年11月号より。草が ぴちぴちぴち 弾(はじ)くのではなくかといつて日差し、交じらふでもなく   西村美佐子…不思議な魅力を持つ一首。「ぴちぴちぴち」はいわゆる投げ込みと称されるフレーズだろう。それを除けば、草が弾くのではなく、かと

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「むかしMattoの町があった」という映画を観てきました。自主上映推進の会(180人のMattoの会)のサイトhttp://180matto.jp/今回の上映の情報(渋谷・アップリンク)http://www.uplink.co.jp/movie/2016/46553イタリアでは精神病院という隔離施設は廃止された

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作者当てごっこ
2016年11月20日07:59

三島麻亜子さんのブログ「底無しの夢」の昨日の記事(※)のコメント欄に、前から思っていたことを書きました。麻亜子さんからリプライをいただきました。以下転載します。             *                     *先日(1

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歌集の品質保証書
2016年11月15日07:12

[以下引用]さてここで、第一歌集における序文跋文の類について考えてみたい。これらは何のためにあるのかといえば、歌集の質を保証するためだろう。「この新人がでたらめな歌を作る輩でないことは、私が保証しますので、どうかお目通しください」という身元

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2016年8月、六花書林刊。約束も秘密も夭(わか)きことばなり水に腕(かいな)を挿して探せどすらすらと詭弁をつかい「では、また」と締め括ってもそう雨は雨生涯をさむき季節と知るだろう腿をあらわに川渡るときわがうなじそびらいさらいひかがみにわが

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カン・ハンナの歌
2016年11月08日19:45

今回の角川短歌賞の選考結果一覧の表(角川「短歌」2016年11月号)を見ていて、思わず「おお!」と声を挙げてしまった。カン・ハンナさんが予選を通過して、しかも二人の選考委員から各一票投じられているではないか。と言っても、カン・ハンナさんは僕

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声明(しょうみょう)
2016年11月05日20:33

今日、横浜・金沢文庫の称名寺をふらりと訪ねた。このお寺は鎌倉の光明寺と並んで、気に入っていて時々訪ねているお寺である。境内に神奈川県立金沢文庫があるのだが、案内を見たら「生誕800年記念・忍性菩薩」という展示が始まったところだったので、そち

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拙稿「『V NAROD!』の逆説」(「短歌人」2016.11、前回のこの日記に転載)に関して、スペースがあればもう少し詳しくふれたかったことなど6点、以下、補注として記しておきたい。(1)拙稿冒頭の引用ではふれなかったが、「時代閉塞の現状」のメイン

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「V NAROD!」の逆説
2016年10月29日18:24

    「V NAROD!」の逆説               斎藤 寛「時代閉塞の現状」という文章を読むと、そこには〈東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる〉などと詠んでいた啄木とはほとんど別人ではないかと思われるような論客・啄木が

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     二〇一六年夏何を伝へないかのチェックのために見るNHK夜7時のニュース天皇にお気持ちありておいらには気持ちのありて世はこともなし鰻よりシラスを好み刺身よりうどんを好む光希(みつき)九歳嘆き、否、怒りなるらし叱られて全力で泣く颯基(

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2016年10月号より。ビートルズ「アビイロード」の「音質はC」四〇〇円神戸三宮   柏木進二…ぶっきらぼうに見たままを叙べた歌だが、なつかしい情景が立ち上がってくる。中古レコード屋さんの店先、「音質はC」というようなランキングがあるのは、

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今年も独立展&二紀展
2016年10月20日19:22

昨年(*)に引き続き、国立新美術館にて独立展と二紀展を見てきました。(*)http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1947097260&owner_id=20556102僕のこの両展覧会とのご縁については、上記の昨年10月の日記をごらんください。(というようにして過去記事を引

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「短歌人」のHさんのブログ「こぎいでな」にて、「短歌人」10月号の拙詠「ひまはりのアンダルシアのうた一首おもひつつ聞く朝のひぐらし」を引いて、コメントを記していただきました。http://tonbitei.exblog.jp/23283103/Hさん、ありがとうございました

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先日、依田仁美さん(マイミクの「不羈」さん)から「金星/VENUS」創刊号を送っていただいた。見るからにビジュアルな作りの冊子である。くだんの「明星」(「平凡」と覇を競った「明星」ではありません、もっと昔の与謝野さんの「明星」です)を平成の

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1999年、砂子屋書房刊。今年の8月3日の日記で第二歌集『うはの空』をご紹介した西橋美保さんの第一歌集。3つの章からなるが、「第1章 廃曲の譜」「第3章 仮想の敵」の歌の配列は制作年代順ではなく、「第2章 落ちてゐた乳歯」だけはほぼ制作年代

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砂子屋書房のサイト「日々のクオリア」の10月10日の記事(三井修さん執筆)にて、拙歌集『アルゴン』より一首引いて紹介していただきました。三井さん、ありがとうございました。http://www.sunagoya.com/tanka/?p=15398【最近の日記】フェイスブックって

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先日、しばらくお休みしていたフェイスブックを細々と再開した。ただし掲載記事はこのmixiの記事のアドレスの紹介のみ。世間では「まだmixiやってるひと」とか言われるらしいが、僕にとってはmixiの記事蓄積機能がありがたい。過去にさかのぼって

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      へだたりひまはりのアンダルシアのうた一首おもひつつ聞く朝のひぐらし  先づ笑へ呵呵呵と笑へ萎れてる場合ぢやないぜ嘘でも笑へ割れずして折れるといへり今どきの「心」は安心安全なりて詠まずにはをれざりし日と締切の効用を説く日とのへだた

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