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2018年11月02日03:38

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グリーフ・ケア

父は週一回、看護師さんに泣かされている。「グリーフ・ケア」というのだそうだ。妻を亡くした悲しみの感情をずーっと引きずっていては生きてゆけない。それで、悲しみを抑圧してしまうようになる。が、それがかえって良くないのだそうで、週一回、聖ヨゼフ訪問看護ステーションのKさんが、訪問看護がてら、父を泣かせに来るのである。

Kさんは、父を車椅子に乗せて母の写真が飾ってある仏壇の前に行き、いい奥さまでしたよねえ…などと父に話しかける。Kさんは、父を看ていただくようになる前に、先ず母の訪問看護の担当で実家に来ていただくようになったので、母のことはよく知っているのだ。父はKさんから母の話を振られると、もう遠慮なく泣き始めるのである。

先日、実は僕もこんな短歌を作って父を泣かせてしまったんですよ、とて「短歌人」10月号の拙詠「息」15首のコピーをKさんにお見せしたら、あらま、Kさんも涙ぐんでしまったのでした。このコピーをいただけますか、と言われるので、さしあげました。

「息」の7首目《「斎藤さん、また会いましょうね」息をせぬ母に看護師さんは呼び掛く》の詞書「聖ヨゼフ訪問看護ステーションのKさん」が、父を泣かせてくださっているKさんである。


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