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日記一覧

半 島
2013年12月27日19:10

   半 島葉桜と潜水艦とプリンセスミチコを包む朝の大気は人も歩けば「軍」といふ字に行き当たる 見るたびに目が痛いヨコスカくぐもれる音塊は来ぬこの国の内なる異国の空深きより潜行を終へて戻りし艦(ふね)の吐く極楽浄土色の廃液後ろより〈戦争やり

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「GANYMEDE」58号(2013年)所載。質量と力のある作品だ。かたちの上ではかなり長い詞書を随所に挟んだ短歌100首の連作なのだが、これはもはや短歌連作という範疇には入らず、短歌ドキュメンタリーとでも言うべき新たなジャンルを拓いた作品として位

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2013年12月、六花書林刊。室井さんは僕と同世代の方にして「短歌人」のメンバーとしてははるかに先達の方である。10年前に刊行された第一歌集『天使の分け前』に続く第二歌集である。「あとがき」によれば、室井さんは栃木県那須塩原市高林の地にお住

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*以下すべてmixi掲載稿からの抜粋(一部補正あり)です。印象に残った歌の記録(7)は今年の9月5日の日記(※)をごらんください。 (※)http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1911217494&owner_id=20556102え行かぬ遠くに薔薇が咲いてゐる 恋ふ 忘る

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「阿Q外傳」
2013年11月05日05:53

昨日、久しぶりに演劇を観た。劇団NAT(Narrative-Action-Theater)公演「阿Q外傳」。作・宮本研。演出・工藤花之助。於こまばアゴラ劇場。実は純芸術的(?)欲求によって出かけたわけではない。ある出演者のお方の親類縁者のはしくれのはしくれで、その

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新聞歌壇より(60)
2013年10月27日07:00

ドボルザークの「家路」を聴くと思い出す小学校のゴミ焼却炉    服部美穂子・・・読売2013.9.30。ピンポイントの記憶による連想なのだが、ああ、わかる、わかる、という連想だ。ちょうどあの曲が流れる頃、ゴミ焼却炉に教室のゴミ箱を運んで行くの

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2013年8月、青磁社刊。川本浩美さんは今年の2月、52歳で他界された。その川本さんの遺歌集である。川本さんは20年以上にわたって短歌人に所属されて来た方だが、関西の方なので、僕はほとんどお目にかかったことがなかった。斎藤典子さんの追悼文(

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*以下すべてmixi掲載稿からの抜粋(一部補正あり)です。印象に残った歌の記録(6)は今年の5月18日の日記(※)をごらんください。 (※)http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1902268833&owner_id=20556102常温で気体になるため右肩を左の膝下(しつ

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8月のメモ
2013年08月28日20:15

残暑お見舞い申しあげます・・・、と記す時の「残暑」の語が、ようやく実感と合うようになってきた。暑かった夏が終る。あとまだ3日あるが、以下、今月の日録メモである。3日〜4日・・・福島県郡山市にて「短歌人」の夏季全国集会。参加者120名。3日の夕方、

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下手だけどどうしやうもなくいとほしくアンリ・ルソーにわれはめろめろという花鳥佰(かとりもも)さんの歌が、先月号(7月号)の「短歌人」に掲載されている。そのめろめろのルソーの絵を表紙カバーに選んだブリリアントな印象の歌集だ。僕はかつて(という

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〜以上、本書の要旨。以下、コメント。〜○フェミニズムの立場からの新しい発信のスタイルに出会うことができた書物だった。「バックラッシュ」側との言説の空中戦ではなく、実際にその立場の人々と会い、「参与観察」し、それをエスノグラフィーとしてまとめ

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●第5章 男女共同参画とは何か−−ユー・アイふくいの図書問題をめぐって○「福井県生活学習館ユー・アイふくい」の情報ルームの図書百数十点が男女共同参画の内容にふさわしくない、とする苦情申し立て書が県知事に提出されていたことが表面化した(200

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●第3章 千葉県に男女共同参画条例がない理由−−条例制定運動の失敗と保守の分裂○千葉県は、現在、男女共同参画条例がない唯一の県である。2002年9月・12月の県議会に上程された堂本暁子知事(当時)の条例案は継続審議となり、翌2003年2月の

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●第2章 地方からのフェミニズム批判−−宇部市男女共同参画推進条例と『日本時事評論』○山口県宇部市の男女共同参画推進条例(2002年)は、「男らしさ、女らしさを一方的に否定することなく」「専業主婦を否定することなく」という文言の入ったものだ

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●2012年10月、勁草書房刊。サブタイトルは「フェミニズムの『失われた時代』と草の根保守運動」。●著者は3名。山口智美、斉藤正美、荻上チキ。(以下敬称略)○山口はモンタナ州立大学教員(文化人類学、フェミニズム)。女性。年齢は40代半ば。○

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2013年7月号より。泣かないけど笑ひもしないデジカメを買つたよ、きのふヤマダ電機で    橘 夏生・・・そう、かつてカメラは泣いたり笑ったりする人間臭い機器だった。が、デジカメというモノは、便利ではあるが、どうもモノになり下がってしまった感が

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金田一さん、斯く語りき
2013年07月06日06:55

昨日の日記で里見実さんのことにふれた。それでまた思い出したのが、先日(2013.5.19)NHKラジオ第2で放送された金田一秀穂さんの講演である。特にお話の後半、けっこう大事なことを言われているように思って、その録音は保存版にした。金田一さ

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「短歌人」の先達の宮田長洋さんが個人誌「疎林」を創刊された。その創刊第1号(2013.4)を読ませていただいた。短歌誌ではなく、短篇小説誌である。掲載されている作品は、「躁鬱連盟」「唐草模様」「入り日」「井荻まで」。すべて宮田さんの作品であ

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*以下すべてmixi掲載稿からの抜粋(一部補正あり)です。印象に残った歌の記録(5)は今年の3月7日の日記(※)をごらんください。(※)http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1894990444&owner_id=20556102山香町大字野原字小鳥雪は雨へと春をまとひて 

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浜名湖吟行合宿
2013年04月23日19:15

20日〜21日、短歌人会の有志の会の吟行合宿で、浜名湖畔に行ってきました。参加者20名。宿は、東海道線弁天島駅近くの「サンレイク美浜」。10年ほど前に僕は教育関係の研究会の合宿でこの宿のお世話になったことがありました。今回、当初予定していた

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2012年刊。一風変わった(歌集)である。歌集の語に(  )を付けるのは、この本の扉および奥付の表記に倣った。この本は、ある意味では歌集ですが、所謂歌集とは若干違っております、ぐらいの意かと思う。目次に挙げられている小項目は13。最後の13

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*以下すべてmixi掲載稿からの抜粋(一部補正あり)です。印象に残った歌の記録(4)は昨年11月19日の日記(※)をごらんください。(※) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1881236246&owner_id=20556102何故なのかどうしたらいいのかポスターが剥

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        (1)「新潮」1993年10月臨増号「短歌俳句川柳101年・1892〜1992」は、百一年のそれぞれの年について、当該年の短歌・俳句・川柳の代表歌(句)集各一点を選び、そこから二十首(句)を抄出して掲載するというユニークな企画の書物

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