2023年７月、六花書林刊。「短歌人」の大先達の長谷川莞爾さんの第１歌集。1937年、満州国に生まれた方なので、なんと80代半ばにしての第１歌集である。「短歌人」に入会されたのは1962年、歌集を出すことなどほとんど考えることはなかったが、このところ同年

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　　　ダス・カピタール思慕ひとつ抱ふるあしたブーバーの『我と汝』に深く出合ひき壁紙の花柄模様のをちこちにそのひとはそつと隠れてをりぬジェーンさんと名付けてさがす壁紙にひそむ泰西美人の貌（かほ）を「マルクスのダス・カピタール…」風呂敷を展げは

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二足もて人はも歩（あり）く秋瑟々ありきて人は命みじかし　　（「短歌人」2012年12月号）･･･「瑟々（しつしつ）」は、「さびしく吹く風の音」（広辞苑）だそうだ。酒井さんの歌から、知らなかった言葉を学ぶことがよくあるのだが、「瑟々」という言葉も僕は

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幾たびも幾たびも濯ぎざふきんの終りの清（きよ）をゐやびて終る　　（「短歌人」2012年５月号）･･･酒井さんもまた（〈あらうあらうあらうあらいてあらいてもあらいてもまだ、あらう、洗いぬ。〉［鶴田伊津］と同様に）濯ぎに濯いでいるのだが、こちらはすっ

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牛は死に豚は死にけり飢ゑ死ぬるものらの列にわれを加へむ　　（「短歌人」2011年９月号）･･･短歌人横浜歌会の時だったと思うが、酒井さん自らがこの歌に言及されたことがあった。ある方の歌で、福島第一原発の周辺住民が避難した後、あたりに放置された牛や

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昨年12月になくなられた酒井佑子さんを偲んで、これまでこの欄にてご紹介した酒井さんの作品を、以下順次再録します。寅壱のニッカボッカに従きゆけば立葵咲く分去れの道　　（「短歌人」2010年10月号）･･･酒井さんはボキャブラリーが途方もなく豊富な方で、

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「ちきゅう座」というサイトを毎朝チェックしている。かつて矢沢国光「「○○は社会主義か」という問いについて――和田春樹『歴史における社会主義』を読んで」（2021.7.11）という記事をご紹介したことがあったが、最近、共感しつつ読んだ記事３点、ご紹介

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2023年８月号より。または影または六月「行け」といふささやき声に「押すな」と応ふ　　　阿部久美…世界には諸々の「事実」があり、人にはそれぞれの「思い」がある。短歌はそうしたことどもを伝える手段だ、というふうに考えていると、この歌のようなものは

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先日ラジオで、こんな国歌もある、という話をたまたま聞いたのだった。これは“国歌”と言うよりは人類の“類歌”と言った方がいいのではないか。こちとら1945年以降も引き続き「君が代」だものなあ……。↓ スロベニア共和国国歌https://www.youtube.com/wat

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↓ 昨日ご紹介した映画「ひろしま」についての解説です。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%97%E3%81%BE【最近の日記】映画「ひろしま」https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985642452&owner_id=20556102𠮷澤ゆう子歌集『緑を揺

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↓ 映画「ひろしま」1953年（ＡＩによりカラー化）https://www.youtube.com/watch?v=O66BcBeoSj8【最近の日記】𠮷澤ゆう子歌集『緑を揺らす』https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985622756&owner_id=20556102８月号「短歌人」掲載歌https://mixi.jp/vi

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2023年６月、青磁社刊。𠮷澤ゆう子さん（マイミクの悠さん）の第一歌集。𠮷澤さんは「塔」に所属されている歌人にして、チェリストである。以下『緑を揺らす』より10首。なお、引用は必ずしも掲載順ではない。森として分け入るときにひかるもの

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