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2018年06月22日07:00

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計算ではなく暗記

 日本人は計算が速い、と自賛しますが、これは「九九」を「暗記」しているから計算が速いように見えるだけではないです? だって「九九」を一々きちんと「計算」してはいませんもの。すると小学校で「計算問題」をあんなに大量に繰り返していたのは、たとえば「7+5」は「12」である、と暗記するためだったのかもしれません。あれだって私は一々きちんと計算していません。「記憶」からその答はすっと出てきます。
 もし「本当に自分は計算が速い」と主張する人がいたら、その主張が正しいかどうかはたとえば「8913の因数はいくつ?」といった問題を暗算で何秒で解けるかをみたら検証できるでしょう。(ちなみに、8913=3×2971でどちらも素数だから正解は「2」です)

【ただいま読書中】『海賊の文化史』海野弘 著、 朝日新聞出版、2018年、1700円(税別)
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 先日カリブ海のハイチについての本を読んだので、今日はそこから連想した「パイレーツ・オブ・カリビアン」で「海賊」につなぎます。
 私が海賊で思うのは「宝島」「中世の地中海のイスラム海賊」「日本の瀬戸内海」「イギリスの私掠船」です。「海賊」と言ってもけっこう幅が広いですね。
 古代ローマ時代の海賊、ヴァイキング、地中海のサラセン(イスラム)海賊……様々な「海賊」が登場します。14世紀末に沈静化したサラセン海賊に変わって15世紀に勃興したバルバリア海賊は、「ヨーロッパ側からの対オスマン・トルコ帝国の『アフリカ戦争』」の一部として見る必要があるそうです。レコンキスタによってスペインから追放されたムーア人(と異教徒や改宗者たち)は北アフリカに流れ、バルバリア海賊が増えました。それに対して、アフリカのキリスト教化とオスマン・トルコをたたくため、十字軍運動が繰り返されます。そして「バルバリア海賊の王バルバロッサ(赤ひげ)」が登場。バルバロッサ兄弟はアルジェリアのほぼ全域を支配、そこにオスマン・トルコが支援を申し出ます。トルコによってロードス島から追放された聖ヨハネ騎士団はマルタに移って、スペイン海軍とともにバルバロッサを盛んに攻撃します。“二代目"赤ひげのハイルッディンはトルコの海軍大提督に任命され、アドリア海で活動することになりました。スペインと対立していたフランスはトルコに接近します。そして「アフリカ戦争」の最終幕「マルタ島攻防戦」。トルコの大軍が島を攻め、砦はやっと持ちこたえ、そこにスペインの援軍が到着してトルコは撤退。しかし海賊は衰えませんでした。ネーデルランドの叛乱にも気を取られたスペインのフェリペ二世は1580年にトルコとの和平条約にサインします。
 17世紀には、バルバリア海賊はガレー船(オールと帆の併用)から帆船に移行します。さらに鉄製の大砲が普及し、海賊(と海軍)の戦い方は、かつてのガレー船での体当たりと乗り込み攻撃から大きく変わっていきました。
 大航海時代には、海賊も外洋に進出します。また、奴隷貿易は「貿易」と「海賊」の境界を曖昧にしました。ネーデルランドがスペインからの独立をしようとした「オランダ独立戦争(1568〜1648年のなんと80年も継続)」ではイギリスの港に潜んだ独立派はスペインの船を襲う「海賊」となりました。コロンブス、ガマ、マゼランの「冒険の旅」もまた「海賊」と紙一重、というか、海賊行為そのものをおこなう航海でした。
 現在の「海賊」のイメージは基本的に「イギリス海賊」で、それは16世紀のヘンリー八世の治世で、イギリス海軍が増強されると同時に海賊が強力になったことでイメージが作られていきました。当時イギリス周囲の海域には各国の海賊が溢れていて、それに手を焼いたヘンリー八世はそういった海賊に対する「略奪許可」を出すことにします。「私掠船」の誕生ですが、これはつまり「民活」で海賊退治です。16世紀後半のエリザベス女王は「海の女王」として海洋帝国を強固にします。「戦争」「貿易」「海賊」の三位一体によって大英帝国は発展していきます。そして、フランシス・ドレイク、キャプテン・キッドなどの有名海賊が輩出される「海賊黄金期」が到来します。
 そういった有名海賊は18世紀まで。しかし19世紀になると文学の世界で「海賊」が活躍するようになります。その典型例が、バイロンの詩「海賊」ですが、この詩には「ロマンチック・ヒーロー」に対する憧れと同時に男性同性愛の魅力が歌われているそうです。子供向けは『宝島』(スティーブンソン)。ロマン主義のベールをかけられた海賊は、子供たちのヒーローになったのです。そうそう、「海賊」の視点で読むと『海底二万哩』(ジュール・ヴェルヌ)も「海賊の物語」になるそうです。
 20世紀の海賊は「情報の海」で活躍していたようですが、21世紀には古典的な海賊が復活しています。そういえば「ソマリア海賊」は有名ですね。あまり「ロマンの香り」はしませんが、これも22世紀には違った扱いを受けているかもしれません。


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