長電話

　私は長電話が好きではありません。理由は２つ。
　「情報」のやり取りとしては非効率的です。緊急時に連絡するのなら電話は便利ですが、大量の情報をどうしても電話線を使って送りたいのならファックスや電子メールを使えば良いと感じています。
　「感情」のやり取りとしても、電話には不満があります。顔を見ず相手の呼吸も感じられずに話すのが不満。実際に会って話す方がよほど感情の交流ができる、と感じているのです。
　強いて言うなら、直接会えない人とどうしても感情の交流をしたい場合（たとえば遠距離恋愛）では長電話は有効でしょうね。お互い相手のためにこれだけ時間を使っている、とアピールもできますし。ただ、私は現在遠距離恋愛中ではないんですよねえ。

【ただいま読書中】『時限病棟』知念実希人 著､ 実業之日本社、2016年、593円（税別）
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　先月『仮面病棟』を読んで面白かったので、同じ著者の別の作品を読もうとしたら……巻頭の「病院各階フロア図」が、明らかに『仮面病棟』と同じ病院であることを示しているではありませんか。一瞬、同じ本をまた借りてきたのか、と私は思ってしまいました。
　痲酔から目ざめた５人の男女（そのうち医者が３人、看護師１人）は自分たちが廃病院に監禁されているのを知りました。壁には「ピエロからのメッセージ」が。一階には時限装置つきのガソリンタンクが。命を賭けた「リアル脱出ゲーム」の開始です。制限時間は６時間。
　しかし、麻酔医１人と外科医２人、さらに手術室勤務のナースが必要だったわけは、すぐに明らかになりました。実にとんでもない理由ですが。
　５人を拉致監禁して命を賭けてのリアル脱出ゲームをさせた犯人の狙いは、この病院を舞台にした別の殺人事件の真犯人捜しでした。そしてその真犯人がわかったとき、さらに別の殺人事件が。
　いやいやいやいや、このスピーディーで次々読者の読みを“裏切り"続ける展開は、読んでいて快感です。私はみごとにミスリーディングされてしまいました。著者は『仮面病棟』よりも腕を上げています。
　ところで「ピエロ」と「クラウン」の違いって、なんでしたっけ？