mixiユーザー(id:235184)

2018年06月06日06:45

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さわるべからず

 本当に美しいものを見たら、視線を送るだけにとどめて、さわってはなりません。だって「美しいもの」に「美しくないもの」が触れたら、その分美しさが損なわれてしまうでしょ?

【ただいま読書中】『檸檬』梶井基次郎 著、 角川春樹事務所(ハルキ文庫)、2011年、267円(税別)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4758435448/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4758435448&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=60a5e79e52ad8ef2ffcdc57516a23ec5
 目次:「檸檬」「城のある町にて」「Kの昇天」「冬の日」「桜の樹の下には」

 「檸檬」……「丸善にレモンを置いてくる」で有名な作品です。有名なのですが、ではその「丸善」はどこの丸善か、なぜレモンなのか、を知っている人は少ないんじゃないかな。モノクロの陰鬱な画面の中、そこだけ鮮やかなレモンイエローの塊がまるで後光でも差しているかのように光り輝いている、そんな“絵"が見える一編です。
 「桜の樹の下には」……「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という有名な一文で始まります。というか、この作品がこの文の出典だったんですね。

 「純文学」って私にはよくわかりませんが、本書を読んでいると「純粋に言葉だけで、言葉でしかできないやり方で、この世界を切り取ってきて、自分自身の中を一回くぐらせてから表現しよう」という著者の意思が感じられます。だから純文学なのかな?


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