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2018年05月28日08:30

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医療費抑制の簡単な方法

 「医療費を抑制するべきだ」と強く主張する人は、病気になっても病院に行かない覚悟をしているのかな? それとも行くべきではないのは、他人だけで、自分は例外?

【ただいま読書中】『ストーカーの心理 ──治療と問題の解決に向けて』P・E・ミューレン、M・パテ、R・パーセル 著、 安岡真 訳、 サイエンス社、2003年、2600円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4781910459/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4781910459&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=1765e9a90dc382ea6b3dc850f45ab82c
 1980年代に「ストーカー」「ストーキング」はまだ一般的な言葉ではありませんでした。「心理的レイプ」「度を超えたつきまとい」などと呼ばれ被害者は苦悩していましたが「身から出た錆」と突き放されることも稀ではありませんでした。1989年女優レベッカ・シェーファーが“ファン"に殺害された事件が契機となり「スター・ストーカー」という言葉が有名になります。92年ころから「ストーキング」は社会問題だと認識されるようになってことばの再定義が行われ「元恋人の男性による暴力行為」で、誰が被害者となってもおかしくないとされました。これは「最近のコミュニティーはもはや安全ではない」という人々の実感に合致した動きだったのでしょう(家庭内暴力や小児虐待が問題視されるようになったのも同時期です)。しかし問題が一般化されるにつれ、「ストーキングの定義」が揺らぎます。
 ストーキング被害に遭いやすい人は「かつてのパートナー」「隣人、友人(被害者が男性の場合、このパターンが多いそうです)」「医師、弁護士、教師、心理療法士、カウンセラー」「職場の同僚、上司、部下」「有名人」そして「赤の他人」。いくつかの実例が本書にありますが、読んでいると「ストーカーの被害者は身から出た錆」と主張できる人はたぶん人生も社会もきちんとは知らないんだろうな、と思えます。ちょっと珍しい例としてストーカー自身がストーキングの標的になってしまったことが紹介されます。そして、被害者のほとんどは、一つ以上PTSDの症状を経験します。
 ストーカーの類型については先行研究がありますが、本書にはミューレンによる「3つの軸(「動機と状況」「被害者との関係」「精神病歴」)」による分類が紹介されています。「第一軸」では「拒絶型」「求愛型」「憎悪型」「略奪型」「無資格型」が提唱されます。それぞれに動機が違うから、それぞれの類型で行動には差があります。また、精神病グループは望まない贈り物をよこす傾向が強く非精神病グループは尾行や監視や暴力に走る例が多くなっています(暴力は精神病グループの倍の率です)。
 同性に対するストーキングは、同性愛に対する社会的嫌悪が障害となって被害者は二重に傷つくことが多いのが問題です(実際には同性愛の色情狂ではない場合も多いのですが)。また、同性だろうと異性だろうと、偽のストーキング被害者という、扱いに注意が必要な事例もあります。
 本書にはストーカー(とその被害者)の具体例が数多く紹介されています。それがまた、人によって様々で、あまりに多様なため「分類」にどのくらい意味があるのだろうか、と私は思ってしまいました。もちろん分類しなければそれぞれへの対策が立てにくいのですが、病気の診断とは違ってストーカーの場合には「検査データ」「レントゲン写真」などのエビデンスが得にくいから、「これが正しい分類(診断)である」という保証が得にくいと感じられたのです。
 そして「対策」ですが……これも難しそうです。殺人などに至る前の早期発見が必要ですが、あまりに拙速だと、本当はストーカーではないものまで処罰してしまうことになりそうです。また、精神病者のストーカーには治療があることもありますが、非精神病者の場合には治療が提供しにくい。これもどうしたものでしょう……というか、日本ではまだストーカーは「犯罪を犯してからその犯罪を罰する」だけの扱いですね。これにはもうちょっと医学や心理学を絡ませた方が良いのではないか、と思えます。


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