すべては私の意識の中に？

哲学を勉強し始めると、「すべては私の意識の中にある。」とか、「いま私の外部に見えている景色はすべて私の脳の中なのだ。」と言いたくなる時期がある。
そこで考えなければならないことは、その時の「意識」とか「脳」というものは一体何なんだろうということではなかろうか。すべてがその中にある「意識」とか「脳」は一体どこにあるのか？　その外には何もないことになるから、「意識」や「脳」を位置付けるものは何もない、俯瞰することができないから、これがそうですと言えるものではなくなってしまっている。その時には、「意識」や「脳」とはもはや言えない。すべてがその中にあるというなら、とりもなおさずそれは「世界」そのものと言うしかない。
その『世界』の中にまた、私の体や脳、ひいては私の意識も存在する。これって変ではなかろうか。