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2018年04月02日22:23

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Coco

『リメンバー・ミー(Coco)』2017年にメキシコと米国で公開、リー・アンクリッチ&エイドリアン・モリーナ監督。シアタス調布にて日本語吹替え版を鑑賞しました。調布では日本語吹替え版のみ上映していましたので。
ディズニーのアニメ映画を観に劇場まで足を運びたいと思ったのは今回が初めてでしたが期待通りの出来映えで、こういう作品こそが金を払う値打ちのある作品なのだろうと思いました。ガルシア マルケス著『百年の孤独』程複雑ではありませんが、主人公の少年みげるの家系図を少しでも理解すれば更に映画の中に入っていけるだろう、と思います。毎年11月1日前後、年に一度の「死者の日(Dia de los muertos)」で先祖を思いやる気持ちを全面に表す派手な祭り慣習はオアハカ州を中心にメキシコの多くの地域で見られると思いますが、「お盆」と重なり合う部分があるので日本でもこの映画は受け入れられやすいのでしょう。あの世へ行った家族を偲ぶ、という行為は国を問わず赤い血が流れる大抵の人間に備わっていると思いたいですが、家族知人の複数を毎年その人の命日に思い出してあげるという行為を記憶に頼ると限界がありますので、私自身は個人メモに頼っているのが現状です。旅立たれた先人を思い出してあげるのは、あの世に繋ぎ止めてあげる為であり、現世の誰からも忘れ去られてしまってはあの世からも消えてしまう、という「二度目の死」を迎えさせてしまう行為に他ならない、とこの映画の中では写真を飾る、という行為を持ちだしてそれを伝えています。私もそういう事をこの日本で何回か伝え聞いた記憶があります。中でも特定失踪者調査会の荒木さんから聞いた話は印象的で、今では理屈抜きに私の頭の中に染み付いているような気がしています。
さて、音楽という夢を追い掛け、事情あって結果的に家族を捨ててしまったと思い込まれたヘクターに対する残されたその妻Mamá Imeldaと家族はヘクターを恨み続け、音楽そのものを忌み嫌うようになります。真相に近づける事なく、間違った情報を信じ込み、人を嫌う、恨む、、悲しいかな、他の世間でも日常茶飯事なのだと思います。
リヴェラ一族の中でも、特にMamá Imelda、Mamá Coco、Tía Rosita、Tía Victoriaについては印象深く記憶に残っています。
「死者の物を盗んだ生者は死者の国に飛ばされる」、「生者の国の祭壇に写真が飾られていない者は死者の国から出られない」等の言い伝えは、非科学的、迷信、といった否定で片付けられる事もありますが、このような「迷信」やら「先祖からの言い伝え」に耳を傾ける事の出来る人間の一人であり続けたいと思います。しかしこの映画、、、そういった難しい事を考えなくても、アニメーションの素晴らしさだけでも味わう価値充分にあり、です。
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